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映画『大統領の料理人』感想。

特に期待をせず『大統領の料理人』ってことは、宮廷をテーマにした華やかな作品なんだろうな…くらいの気持ちで、なんとなく録画して視聴したのだけれど、予想外に面白かった。

前知識が無かったため、大統領の料理人と聞いて、てっきり男性が主人公だと思っていたのだけれど、主人公は子育てを終えた中年女性で、しかも大統領料理人を辞めてから南極の料理人になっている。

この映画。まったくの作り話ではなく、実在の人物をモデルにしていると言うから驚きだ。ちなみに大統領とはフランスのミッテラン大統領。

『大統領の料理人』はあくまでも映画なので、作品中の大統領は実在のミッテラン大統領のイメージとは違う感じで描かれていた。

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大統領の料理人

大統領の料理人
Les Saveurs du palais
監督クリスチャン・ヴァンサン(フランス語版)
脚本クリスチャン・ヴァンサン
エチエンヌ・コマール(フランス語版)
製作エチエンヌ・コマール
フィリップ・ルスレ(フランス語版)
出演者カトリーヌ・フロ
ジャン・ドルメッソン(フランス語版)
イポリット・ジラルド
アルチュール・デュポン(フランス語版)
音楽ガブリエル・ヤレド

あらすじ

主人公オルタンス・ラボリはフランスの片田舎で小さなレストランを営んでいた。

物語はある日突然、ラボリミッテラン大統領の専属料理人に抜擢されるところからスタートする。

ラボリは大統領官邸(エリゼ宮殿)史上初の女性料理人として周囲の男たちの嫉妬や嫌がらせを受けるが給仕長のジャン=マルクや助手のニコラ達の協力を得て、素朴な家庭料理をこよなく愛する大統領から厚い信頼を得るようになる。

だが、統領の健康管理や経費削減により、自由に料理を作れなくなったオルタンスは心身ともに疲れ果て、専属料理人を2年で辞職する。

その後、オルタンスは南極のフランス観測基地で料理人となり、1年間の任期を無事に終える。

映画ではフランス観測基地での任期満了となる1日と、大統領専属料理人として過ごした2年間が交互に描かれている。

美味しそうなお仕事映画

『大統領の料理人』は登場する料理がとにかく「美味しそう」なので『深夜食堂』とか『きのう何食べた?』とか『南極料理人』が好きな人には全力でオススメしたい。

逆に「料理なんて興味ねぇな」な人にはオススメ出来ない。

大統領は「昔ながらのフランス料理」を愛している…と言う設定。大統領を演じたジャン・ドルメッソンはフランスの高名な哲学者で『大統領の料理人』が映画初主演。ギトギトした政治家って感じではなく、学者感の強い人(現役の学者だからあたり前だけど)で、作品にしっくりマッチとしていた。

主人公の女料理人、ラボリは大統領の好みに合わせて全力で料理を作る。だだ、その料理はエリゼ宮の料理人達の中にある「暗黙のルール」に乗っ取った料理とは違って、かつてない物だった。

  • いまだかつてない女性料理人である
  • エリゼ宮の調理場ルールに逆らいまくり
  • それなのに大統領から気に入られている

当然ながらラボリは他の料理人達から総スカンを喰らい、仕事の邪魔をされる。さらに言うなら大統領の健康問題が浮上して、食養生を考えた食事を作らねばならない立場に立たされる。

疲れ果てたラボリは自ら大統領の料理人を辞任するのだけど、ラボリは可愛そうなヒロイン…とも言い切れないところが面白いと思った。

会社組織だとすると、キレッキレに才能のある人が周囲のことを考えず、好き放題突っ走って、周囲の反感を買って自爆した…ってところだろうか。

ラボリの気持ちも分かるけれど、周囲の人達の気持ちも分かる。ラボリのやり方を貫いていては、組織は破綻してしまう。

ラボリがオーナーシェフで自分の店を切り盛りしていたのなら、彼女のやり方もアリなのだけど「チームとして仕事を進めていく」となると、ラボリのやり方は正しいとは言えないのだ。

まさかの南極料理人

エリゼ宮での仕事に失望したラボリは南極料理人に志願して、1年間南極で働く。

映画的には南極の描写からスタートして、エリゼ宮時代→南極→エリゼ宮時代と交互に描写が進んでいく。

南極での描写は「ラボリが南極で過ごす最後の日」を描いていて、彼女の仕事っぷりは描かれていないものの、ラボリは南極基地の人達から必要とされ、認められていたらしく、やや下品な南極基地のメンズ達は、盛大なお別れ会をしてラボリを送り出している。

エリゼ宮での仕事は最高の素材を使って料理人として楽しかったとは思うのだけど、ラボリに合った職場ではなかったのだと思う。

ラボリは南極で生きるエネルギーをチャージして、次の世界へと飛び込んでいく。

レストランシェフ→大統領料理人→南極料理人→新しい世界での仕事

……これは子育てを終えた中年女性だからこそ出来る展開だと思う。

養うべき家族がいる男性だったり、結婚を控えて恋人のいる若い女性だったら、ここまで自由には動けなかったと思う。子育て終えた中年女性のロマンの極みって感じ。

『大統領の料理人』は美味しそうで、エネルギッシュで、観た後に元気になれる楽しい作品だった。

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白い木蓮の花の下で
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