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無花果の実のなる頃に 西條奈加 東京創元社

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東京の下町を舞台にしたハートフルミステリー。

主人公は料理が得意で見目麗しい男子中学生。相棒役は主人公の祖母で元芸者でチャキチャキの江戸っ子。物語を楽しむよりも、むしろ舞台設定とか雰囲気を楽しむためのミステリーだと思う。

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無花果の実のなる頃に

お蔦さんは僕のおばあちゃんだ。もと芸者でいまでも粋なお蔦さんは、面倒くさがりなのに何かと人に頼られる人気者だ。

そんな祖母と僕は神楽坂で暮らしているけれど、幼なじみが蹴とばし魔として捕まったり、ご近所衆が振り込め詐欺に遭ったり、ふたり暮らしの日々はいつも騒がしい。

神楽坂界隈で起こる事件をお蔦さんが痛快に解決する!あたたかな人情と情緒あふれる作品集。

アマゾンより引用

感想

最近、この類のミステリーって流行っているのだろうか?

私はミステリーには疎くて、この作品もそれと知らずに借りてきた。そういえば近藤史恵の『タルト・タタンの夢』なんかも似たような印象かも。

悪くは無いけれど、どの層に需要があるのかなぁ。この作品の場合は主人公の設定自体がちょっと、ありえない感じ。

年齢層を高めに設定したラノベの印象。小説って、あくまでも作り物の世界を楽しむ娯楽なので「ありえない設定」というのもアリなのだけど、小綺麗過ぎると言うか、なんと言うか。

個人的には特に好きでも嫌いでもなかったけれど、雰囲気小説としては悪くないと思う。

主人公も、主人公の祖母も魅力的だし、人情味溢れる下町の雰囲気も悪くない。NHKの夜のドラマにしたら、しっくりくるんじゃないかなぁ……と言う印象。

特に私は大阪でしか暮らした事が無いので「江戸の下町」には、なんとなく憧れのがあって、そこそこ楽しむ事が出来た。

でも、なんだろう……読んでいる時はそれなりに楽しいのだけど、読後に残る印象がやたら薄い。

残念だけど、半年もしたら設定意外の内容はすっかり忘れていると思う。印象に残ったのは作品の雰囲気だけで、肝心のお話はガツンと心に響いてこなかったのだ。

「悪くもないけど、良くもない」そうとしか言えない、非常に物足りない作品だった。

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