た行

辻仁成

真夜中の子供 辻仁成 河出書房新社

これは面白かった! 私が今年、読んだ本の中ではダントツでの1位だ。この上半期は本のアタリがイマイチだった…と言うことを差し引いても面白かったし、辻仁成の新しい代表作になると思う。 物語は福岡県の中洲が舞台。主人公の少年は戸籍がない。ホ...
千早茜

クローゼット 千早茜 新潮社

初挑戦の作家さん。題名からして「ゆるふわな感じの女性向け作品なんだろうなぁ」と期待せずに読みはじめたのだけど、予想外に良かった。脂が乗っている時の嶽本野ばらとキレッキレだった頃の小川洋子の良いところを足して2で割ったような作品だった。心の中...
滝口悠生

高架線 滝口悠生 講談社

作者の作品を読むのはこれで3冊目だけど、作者の作風は言って好きじゃない。それなのに、この作品に限っては「案外いいじゃない」と思ってしまった。初めて読んだ『愛と人生』も、芥川賞を受賞した『茄子の輝き』も「悪くはないけど楽しめないなぁ」って感じ...
滝口悠生

茄子の輝き 滝口悠生 新潮社

芥川賞受賞後、第一作とのこと。作者の作品は1冊だけ読んでいるけれど、受賞作は読んでいない。ちなみ以前に読んだ『愛と人生』はイマイチ楽しめなかったのだけど「もしかしたら芥川賞受賞作は面白かったのもか知れないし、芥川賞受賞以降はまた作風が変わっ...
辻仁成

父 Mon Père 辻仁成 集英社

前回読んだ『息子に贈る言葉』が良かったので続けてこれも読んでみた。『息子に贈る言葉』はツイッターのまとめ本だったけれど、今回は小説。作者自身と息子さんがモデルだろうと匂わせているものの、あくまでも小説。設定も実際の作者と違っていて小説家の父...
谷村志穂

大沼ワルツ 谷村志穂 小学館

今回はネタバレを盛り込みつつ書くのでネタバレが苦手な方はご遠慮ください。 北海道の大沼と言う場所が舞台の物語。私は作者の作品はそこそこ読んでいるのだけれど、北海道出身の人だとは知らなかった。後で知ったのだけど、この作品は実話をベースに...
辻仁成

息子に贈る言葉 辻仁成 文藝春秋

前評判無しで手に取った。題名からしてエッセイ集かと思いきや、作者のツイッターをまとめた本で軽くガッカリ。しかし予想外に面白かった。 辻仁成と言うと小説家と言えば小説家ではあるけれど、私の中では完全に芸能人枠。南果歩と離婚後、中山美穂と...
ドーノワ夫人

美女と野獣 ドーノワ夫人 西村書店

エマ・ワトソン主演で『美女と野獣』が映画化されている事を受けて、再読熱が猛烈にたかまり、久しぶりに本棚から引っ張り出してきた。 私がはじめて『美女と野獣』を知ったのはジャン・コクトーの白黒映画。小学生の頃、ローカルテレビ局で日曜日の昼...
津原泰水

エスカルゴ兄弟 津原泰水 角川書店

作者の作品を読むのはこれで何冊目かなのだけど、何故か読書録には書かれていない不思議。たぶん忙しい時期に読んで感想を書かずに流してしまっていたのだと思う。今まで読んだ作品は「嫌いじゃないけど好きでもないかな。全体的に軽過ぎてちょっと…」と言う...
瀧本哲史

読書は格闘技 瀧本哲史 集英社

題名に惹かれて手に取った。読書と言うとインドアかつ陰気な趣味の王道だと思っていて「格闘技」だなんて思った事が無かった。もう題名だけで、某かの賞を差し上げたいくらいだ。それくらい題名にインパクトがあった。今回はいきになりネタバレと言うか、内容...
玉岡かおる

ひこばえに咲く 玉岡かおる PHP

実在の画家、常田健をモデルにした小説。常田健は常田健は「津軽のゴーギャン」と称されていて2000年、89歳で亡くなっている。 私はこの作品を読むまで常田健の事を全く知らなかったのだけど、作品を読んで「絵を見てみたい」と思った。青森県に...
土井善晴

おいしいもののまわり 土井善晴 グラフィック社

図書館で表紙に惹かれてジャケ借りした。シンプルだけどカッコイイ。こういうデザインは好きだ。題名の置き方がエヴァ風なのも良い。土井善晴のエッセイと言うと、いささか古風な雰囲気なので意外な装丁で「読んでみたいな」と思ったのだ。 土井善晴は...
滝口悠生

愛と人生 滝口悠生 講談社

図書館で表紙と題名に惹かれて手にとってみた。「そう言えば芥川賞を取った作家さんだっけ?」と読んでみたのだけど、私が予想した内容と全く違った話で困惑してしまった。落語をしているような雰囲気の表紙だったので「落語家の話かな?」と思ったのだけど、...
筒井康隆

モナドの領域 筒井康隆 新潮社

筒井康隆の作品を読むのはたぶん20年以上ぶり。私はSF好きじゃないので、筒井康隆の作品は有名ドコロをさらった程度で読み込んでいない。短編集に入ってた『定年食』がトラウマで、あれを読んでから彼の作品を手にとっていなかった。「凄い作品を書く人だ...
辻仁成

日付変更線 The Date Line 辻仁成 集英社

とても読み応えのある壮大な作品だった。主人公はハワイ在住の日系四世の青年。彼の祖父は第二次世界大戦時、日系アメリカ人部隊で戦った日系二世。第二次世界大戦を舞台にした、祖父世代の物語と、主人公世代の物語が綿密に繋がっていて大きな物語になってい...
谷崎潤一郎

陰翳礼讃 谷崎潤一郎 中公文庫

法事のお下がりで戴いた水羊羹を食べていたら『陰翳礼讃』の羊羹のくだりが猛烈に読みたくなって久しぶりに手に取った。表題作を含む随筆集。 『陰翳礼讃』の羊羹の描写ほど羊羹を美味しそうに表現している文章を私は知らない。初めて読んだのは中学生...
津村節子

津村節子 白百合の崖 山川登美子・歌と恋 新潮文庫

百合の季節なので読みたくなって手に取った。与謝野晶子と共に与謝野鉄幹に歌を学んだ歌人、山川登美子の半生を描いた作品。伝記ではなく小説である。私にとって初めて読んだ津村節子作品で思い入れの深い1冊。この作品を読まなければ、津村節子にハマる事も...
谷崎潤一郎

刺青・秘密 谷崎潤一郎 新潮文庫

最近、ふとしたキッカケからツイッターで谷崎潤一郎が好きな人をフォローしてみた。その人は猛烈に谷崎潤一郎が好きらしくて、その人のツイートを見ていたら私も熱に浮かされるように谷崎潤一郎が読みたくなって久しぶりに手にとってみた。 数ある谷崎...
田中慎弥

宰相A 田中慎弥 新潮社

芥川賞受賞後の野心作との触れ込み。ツイッター界隈でいたく評判が良いので手に取ってみた。作者の作品を読むのはこれが2作目だけど、芥川賞作品は読んでおらず、作風はイマイチつかめていない。 小説家のTと言う男が、突然別次元の「日本」に放り込...
トレイシー・シュバリエ

真珠の耳飾りの少女 トレイシー・シュバリエ 白水社

『青いターバンの少女(真珠の耳飾の少女)』というフェルメールの画の少女が主人公の物語。と言っても、伝記物でもなんでもなくて、作者がフェルメールの画から話を引き出した完全な創作である。何年か前に映画化されていて、興味はあったのだけど映画は観ず...