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ヨモツイクサ 知念実希人 双葉社

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昨年からずっと「クマが出た」とニュースがやたら多い。私は大阪で暮らしているので身近でクマが出た…って話は聞かないけれど、生態系が変わってきたのか街にもイノシシだのサルだのが降りてくるようになった。

クマ(特にヒグマ)をテーマにした小説は多いのだけど吉村昭の『羆嵐』を読んで以来、すっかりヒグマ小説の虜になった私は「ヒグマ出てくるなら、とりあえず読んでみる」ってスタンス。『ヨモツイクサ』は物語の筋を知らずに「ヒグマが登場する」と思って読んでみたけど、なんか思ってたのと違っていた。

ヒグマも出てきたけれどメインはヒグマではなく「ヨモツイクサ」だったし、自然と戦う話ではなくてホラー小説だった。

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ヨモツイクサ

ザックリとこんな内容
  • 北海道旭川に「黄泉の森」と呼ばれ、アイヌの人々が怖れてきた禁域があった。
    その禁域を大手ホテル会社が開発しようとするのだが、作業員が行方不明になってしまう。現場には《何か》に蹂躙された痕跡だけが残されてた。
  • 北海道の道央大病院に勤める外科医佐原茜の実家は黄泉の森のそばにあり、
    7年前に家族が忽然と消える神隠し事件に遭っていて、今も家族を捜していた。
  • 神隠しと作業員行方不明事件の犯人はヒグマなのか?
  • 究極の遺伝子を持ち、生命を喰い尽くすヨモツイクサと茜の戦いがはじまる…

感想

自分勝手にヒグマ小説だと勘違いして読み始めたので、テーマが羆撃ちでないことを知って面食らってしまったけれど、ホラー小説としては視点が面白くてお洒落感あった。

物語の舞台が北海道なので自然の描写が多いし、最初はヒグマが敵とされていたので羆撃ちだって登場するし、羆の恐ろしさも淡々と描かれている。物語の途中で敵がヨモツイクサだと言うことがハッキリ示される。ジャンルとしてはバイオ・ホラーに分類されるらしい。

作者の知念実希人は医師とのことで手術の場面がやたらリアルで気持ち悪いし、ヨモツイクサの進化(?)の説明などは説得力があった。今までに無かったタイプのホラー小説だと思う。

物語が高速で進んでいくので息つく暇もなくイッキ読みしてしまえる面白さだった。

唯一、残念だと思ったはの、ある程度まで読んだ時点で勘の良い人にはラスボスとか展開が見えてしまう…ってこと。正直言ってラストに意外性はが無く予定調和だな…って印象を受けた。ただ予定調和と言っても納得出来る流れではあった。

知念実希人の作品を読むのは初めてだったのだけど、医療系のミステリ小説を書く作家さんとのことなので是非他の作品も読んでみたいと思う。

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白い木蓮の花の下で