小手鞠るい

炎の来歴 小手鞠るい 新潮社

本を読むのに適切な年齢とか季節なんて物は無いと思っている派だけど、高校生の夏に読んで欲しいな…と思ってしまった。物語は第二次世界大戦後の日本、アメリカ、ベトナムが舞台になっている。テーマは恋愛。そして戦争と平和。とにかく作品に込められた熱量...
小手鞠るい

あんずの木の下で 身体の不自由な子どもたちの太平洋戦争 小手鞠るい 原書房

図書館で娘の本を探していた時、ふと表紙に目が行ってしまったため手にとった。一応、児童書のくくりに入る本だけど、子どもよりもむしろ大人に読んでもらいたい作品。副題に「身体の不自由な子どもたちの太平洋戦争」とあるように、第二次世界大戦の時に障害...
小池昌代

幼年 水の町 小池昌代 白水社

ここ数年間の間で読んだエッセイ集の中でダントツに面白い1冊だった。面白いと言っても「笑える」と言う意味ではない。正しは「読み応えがあった」と書くべきなのかも知れない。小池昌代の書く文章は心にストンと落ちてくる感じがして大好きだ。 小池...
こだま

夫のちんぽが入らない こだま 扶桑社

ツイッター界隈で面白いとの評判を聞き、矢も盾もたまらずアマゾンでポチってしまった。基本的に本はまず図書館で借りて面白かったら買う事にしているのだけど、図書館にリクエストして買ってもらう勇気が無かったのだ。図書館の職員さんって必ずしも読書家で...
河野多惠子

考えられないこと 河野多惠子 新潮社

河野多惠子の遺作集。図書館で借りて読んだのだけど、これは買っておくべきだと思った。短篇小説、エッセイ、日記、詩と雑多に入っていて「本当にこれが最後なのだなぁ」と寂しくなってしまった。薄い単行本なのでか鞄に入れて持ち歩くのも可能。本にかけられ...
小谷野敦

ヌエのいた家 小谷野敦 文藝春秋

第152回芥川賞候補作。私にとっては初挑戦の作家さん。何の予備知識もなく「ヌエって事は……ホラーか幻想小説だよね? そろそろ夏だしホラーもいいかも」と思って手にとってみたところ、ホラーどころかガチガチの純文学だった。 私小説要素の強い...
小林一郎

横丁と路地を歩く 小林一郎 柏書房

研究本ともエッセイともつかぬ1冊。「横丁・路地ファンブック」と呼ぶのが1番しっくりくるように思う。街歩きやぶらぶら歩きが好きな人にオススメしたい。ハードカバーなのだけど、新書か文庫本サイズがあると嬉しい。街に出掛ける用事がある時、カバンに1...
小島水青

をちこちさんとわたし 小島水青 中央公論新社

なんだか掴みどころの無いフワフワした読み物だった。題名の「をちこちさん」は感じで書くと「遠近さん」となる。主人公で一人称の「わたし」の正体が最後まで分からず、分からないまま読み進める必要があって非常にもどかしく、読む人を思いきり選ぶ作品だと...
コーネリア・フンケ

どろぼうの神様 コーネリア・フンケ WABE出版

憤りを感じてしまった。作品自体……というよりも「売れればOK」「売れるが1番」という姿勢で本を作っている出版社に対して。ハリーポッターに並ぶ名作との触れ込みだったがハリーポッターの足元に及ばないどころか、爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいと思...
今野緒雪

マリア様がみてる 今野緒雪 コバルト文庫

この作品はジャンル的に「百合小説」と呼ばれているらしい。近頃、百合小説、百合漫画を専門に扱った『百合姉妹』という雑誌が創刊されたりして、百合というジャンルは、ちょっとしたムーブメントになっているようで、お気に入りのサイトで「百合」について議...
近藤史恵

タルト・タタンの夢 近藤史恵 東京創元社

ミステリー小説は苦手ジャンルなので滅多に読まないのだけれど、ついつい手に取ってしまった。あまりにも……題名が美味しそうだったから。フランス料理店(格式ばっていないビストロって設定)を舞台にした連作短編集。腕の良いシェフや、癖のあるソムリエな...
小手鞠るい

美しい心臓 小手鞠るい 新潮社

ツイッターで良さげなツイートがガンガン流れてきたので手にとってみた。「悪魔的なまでに純粋な恋愛小説」って触れ込みだったので、ワクワクして読んだのだけど、私にはそれほど面白いとも思えなかった。確かに一途な恋愛ではあったけれど。 そんな風...
小沼ますみ

ショパンとサンド 愛の奇跡 小沼ますみ 音楽の友社

先日観た『戦場のピアニスト』という映画に、やたらとショパンのピアノ曲が使われていたので、なんとなくショパンがらみの本が読みたくなって再読してみた。こういう場合、普通はショパンのCDを買いに走るものなのかも知れないが、まぁ、その辺はご愛嬌とい...
小堀杏奴

朽葉色のショール 小堀杏奴 講談社文芸文庫

高校時代に読んだことがあるので、再読なのだけれど、ほとんど内容を覚えていなかったので、初めて読むも同然だった。高校時代に読んだ時は、心酔できたのに、今は「ふうん」という感じだった。あの頃は、単純だったら典雅な調子に、ヤラレてしまっていたのだ...
小檜山博

スコール 小檜山博 集英社

北海道で農業を営む中年男性が、お嫁さんをゲットするためにフィリピンへ行って……という話だった。農村の嫁不足は深刻だと言うし、私自身、「農家の嫁に」と言われたら遠慮したいと思うだけに、姿勢を正して読まなきゃいけないかと思ったりしたのだが、どう...
小林恭二

カブキの日 小林恭二 新潮文庫

歌舞伎が好きな人、あるいは「舞台」や「芝居」を愛する人なら、ついつい夢中になってしまうのではないかと思う。ちなみに私は夢中になった。日本人の大人のための異種ファンタジーとでも言おうか「まぁ、しょせんは作り事だから」と言ってしまえばそれまでだ...
越谷オサム

いとみち 越谷オサム 新潮社

物語の舞台は青森県。強烈な津軽弁を話す女子高生がメイドカフェでアルバイトしつつ、成長していく青春物語。表紙絵がラノベ風で手に取るのを躊躇ったのだけど、ツイッターで「面白い」と評判だったので読んでみた。が、ラノベだった。面白いと言えば面白いの...
河野多惠子

逆事 河野多惠子 新潮社

私は河野多惠子を知ってからと言うもの、ずっと好きでいるのだけれど、いま敢えて言いたいことがある。「河野多惠子の作品って、実はけっこう面白くないよね」と。刺激的に読ませる物語もあるのだけれど、短編になると吉村昭級に地味だと思う。しかも、読者に...
河野多惠子

臍の緒は妙薬 河野多惠子 新潮文庫

表題作を含む7編からなる短編集。作者はもう80代後半のはずなのだけど、創作に対する貪欲さに感心させられた。短編集と言っても、1つ1つの作品自体が短めで、文庫本にするとペラペラなのだけど、じっくりと読む価値のある1冊だと思う。 それぞれ...
河野多惠子

思いがけないこと 河野多惠子 新潮社

非常にローテンションなエッセイ集だった。作者自身の日常生活や、好きな作家(谷崎・三島・菊池)についての自論など。何故だかしら、作者とは仲間意識のようなものを感じてしまう。このエッセイ集にいたっては、今年度の「マイ・ベストエッセイ」になるんじ...