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夫のちんぽが入らない こだま 扶桑社

ツイッター界隈で面白いとの評判を聞き、矢も盾もたまらずアマゾンでポチってしまった。

基本的に本はまず図書館で借りて面白かったら買う事にしているのだけど、図書館にリクエストして買ってもらう勇気が無かったのだ。

図書館の職員さんって必ずしも読書家であるとは限らない。司書資格を持っているのは大抵派遣かアルバイト。「別に本が好きって訳じゃんいんだけど」と言うような市の職員さん(何故か大抵男性)もいる訳で、本好きじゃない人にこの題名の本をリクエストするのは流石に気が引ける。

「もう、これは買うしかないな」と腹をくくってポチった次第。

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夫のちんぽが入らない

ザックリとこんな内容
  • 主人公=作者と思われる自伝的小説。
  • 主人公は毒親育ちの小学校教師。
  • 同じアパートに暮らす先輩と交際をはじめる。
  • 初めてセックスを試みたが彼の性器が全く入らないのだ。その後も入らない。
  • しかし2人は精神的な結びつきを経て結婚する。そして…

扶桑社さんはこの作品を「絶対に売ってやるぜ!」と超本気のようです。特設サイトで試し読み出来るので気になる方は是非。

試し読みはこちらから

感想

この作品は題名が全てだと思う。内容も題名の通り。夫のちんぽが入らない女性の物語だった。

いきなりだが、夫のちんぽが入らない。本気で言っている。交際期間も含めて二十年、この「ちんぽが入らない」問題は、私たちをじわじわと苦しめてきた。周囲の人間に話したことはない。こんなこと軽々しく言えやしない。

『夫のちんぽが入らない』は同人誌として出したものに加筆したとのこと。

主人公は何故か夫のちんぽが入らないのだけど、それは身体的に問題がある訳ではなく、夫以外の行きずりの男性となら致す事が出来る。

夫とはちゃんと愛し合っていて、兄妹のような関係。夫婦で色々と試みてみるも上手くいかない…と言う設定。

読む前に期待値が上がり過ぎたのもあって「思っていたより面白くなかったな」と言う印象。

そして何よりもどこかで読んだことのある文章だなぁ…って事が気になった。姫野カオルコの陰気な真面目さと柳美里のクレイジーさを足して2で割った感じ。そして時折、江國香織のテイストも入ってくる。

言っちゃあなんだけど、姫野カオルコや柳美里、江國香織あたりの文章が好きな人なら抵抗なく読めると思う。私もサクサク読めた。

そして肝心の内容だけど面白いと言えば面白い。少なくとも私は一気読みした。

しかも実際の夫婦がモデル(作者自身)だと言うからビックリする。勿論「実は全部創作でした」と言われたら、それはそれでもっとビックリするけれど。

主人公は小学校教師、夫は高校教師。2人も真面目で仕事に一生懸命なのだけど、だからこそ色々と辛い目に合う。

学校の先生の大変さ、そして真面目な人間の生き辛さが切々と描かれていて共感する人も多いと思う。そして夫婦間のセックスが上手くいかない。それでも、どうにかこうにか夫婦で共に生きています……ってところがこの作品の全てだ。

この本を良い風に解説するなら「夫と性行為が出来ない女性の壮絶な半生を描いた作品」って事になるし、悪い風に解説するなら「夫とセックス出来ないメンヘラ女性のメンヘラ物語」って事になる。

この作品はエッセイってことになっているけれど、どちらかと言うと私小説に近いと思う。

「大変辛い経験をされたのだなぁ」と素直に思うものの、作家の書いた作品として読むなら正直首を傾げざるを得ない。

もし作者が次の作品もちゃんと世の中に送り出せたなら、これも立派な創作物だと思えるだろうけど、そこはかとなく一発屋の香りがしなくもない。

それくらい「ちんぽが入らない」と言う部分ばかりが走っていて創作物としては深味に欠ける。

作者が次回作を発表するなら是非読ませて戴きたい。しかし心のどこがて「これっきりになっちゃうのかな…」と言う気持ちが捨てられずにいる。

そうそう。本の内容とは全く関係ないけれど、表紙の想定はパッっと見た時、よほど目の良い人でなければ題名が分からない。

なので「こんな題名の本、買い難い(借り難い)なぁ」と心配している方がおられましたら心配ご無用。実にお洒落で控え目な表紙なので抵抗なく手に取って戴けます。

センスの良い表紙だと感心したと同時に、題名と言い表紙と言い扶桑社の「絶対に売ってやるぜ!」と言う意気込みを感じた。作り手の情熱を感じる1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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