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GO 金城一紀 講談社文庫

「面白かった」のひとことに尽きる。

直球勝負の青春小説だった。勢いがあって、めちゃめちゃで、それでいて馬鹿みたいに真面目だったりする「若い」小説を読むのは久しぶりだ。

比較的若い作家さんが書いた作品を読むことだってあるけれど「作家」になる人って理屈屋さんが多いのか、面白くても「上手過ぎて失敗してるかも」ってことが多い。

しかし『GO』はいい感じで勢いのある作品という印象を持った。

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GO

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広い世界を見るんだ―。僕は“在日朝鮮人”から“在日韓国人”に国籍を変え、民族学校ではなく都内の男子高に入学した。

小さな円から脱け出て、『広い世界』へと飛び込む選択をしたのだ。

でも、それはなかなか厳しい選択でもあったのだが。ある日、友人の誕生パーティーで一人の女の子と出会った。彼女はとても可愛かった―。

アマゾンより引用

感想

高校生の主人公が馬鹿でかっこよかった。こういう人って好きだ。

主人公の父親と母親も「青春ドラマ」っぽくて良かった。特に父親の浪漫っぷりといったら!「浪漫」といってもロマンチストのロマンというよりも「男のロマン」って世界。

女性の私には実感として分からないけど「身体で語る」って言うのかな。そういう関係ってちょっと羨ましく思う。

そして主人公の親友も良かった。あぁいうタイプの優等生って、けっこういるんじゃないかと思う。

個人的には、そんなタイプの人には幸せになってもらいたいんだけどなぁ。親友のエピソードには、思わず握りこぶしを固めてしまった。

在日韓国朝鮮人にまつわる「民族問題」などが書かれていると聞いていたので、説教臭い、ウザイ感じの小説かと思っていたけれど、それほどでもなかったように思う。

現在も問題は山積みだし、一朝一夕で解決するようなものではないと思うのだけど「基本は個人だよね」って思ったりした。「俺は朝鮮人でも、日本人でもない、ただの根無し草だ」というセリフは、臭すぎるけど素敵だと思った。

物語としては面白かったけれど、ちょっと残念だったのは主人公の恋愛が定番過ぎるほど定番な形で描かれてしまったところだろうか。

高校生の恋愛だから、あんなものかも……と思わなくもなかった反面「そんなに上手いこといくかなぁ?」と思ってしまった。

恋愛進行中のエピソードは、微笑ましくて好きだったけど、最後のオチはちょっと物足りなかった。

ビチビチと音がしそうなくらいに、新鮮で活きのいい小説に巡り合えて大満足だ。

またしても一気読みしてしまった。アッというまに読み終えてしまったけれど「読み終えるのがサミシイ」と思えるほどに面白い作品だった。

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