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なでし子物語 伊吹有喜 ポプラ社

前回読んだ『天の花 なでし子物語』のシリーズ1作目。

天の花 なでし子物語』この作品の次の話とのこと。時系列的には「なでしこ子物語→天の花 なで子物語→地の星 なでし子物語」と進んでいくらしい。

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なでし子物語

いじめに遭っている少女・耀子、居所のない思いを抱え過去の思い出の中にだけ生きている未亡人・照子、生い立ちゆえの重圧やいじめに苦しむ少年・立海。三人の出会いが、それぞれの人生を少しずつ動かし始める。

言葉にならない祈りを掬い取る、温かく、強く、やさしい物語。

アマゾンより引用

感想

前回読んだ『天の花 なでし子物語』の登場人物達の小学校時代が描かれている。

時代は昭和40年代終盤から50代前半。『8時だョ!全員集合』のヒゲダンスなんかが登場するので主人公達は私と似たり寄ったりの世代。しかし、どうにも物語に入り込む事が出来なかった。

なんと言うのかな…時代と世界観のズレが激しいのだ。

いっそ小川洋子式で「日本みたいな感じだけどここではないどこか」設定にするか、そうでなければもう少し時代設定を古くするか。

時代を代表する流行り物を入れてしまったばっかりに「えっ? この時代にこれはどうなの?」と言う違和感が半端なかった。

作品自体は佐々木丸美のロマンティックワールドのようで非常に美しい。

不幸な生い立ちの主人公の少女と、王子様設定の少年のボーイミーツガール。

少年は身体が弱くて女の子の格好をさせられて暮らしている。しかも学校に通わず家庭教師を付けてもらっている…って設定。

いやいや…昭和50年代で流石にそれは無いだろう。「身体の弱い男の子に女の子の格好をさせて育てる」と言う風習は知っているけれど、時代的に無理がある。

さらに言うなら病弱設定にしても「家庭教師をつけて云々」も微妙な感じ。『ちびまる子ちゃん』よりもさらに現代に近い設定なのに、時代錯誤が酷過ぎる。

主人公達だけでなく、大人達の考え方や動きなども「えっ? それっていつの時代?」としか思えない。いくら田舎の旧家設定とは言っても違和感があり過ぎる。

ただ「酷い環境に置かれた子ども達の成長物語」としては素晴らしいと思う。

耐える事しか知らなかった主人公の少女が自分の意思を持つようになっていく過程が丁寧に描かれているのは素晴らしいと思ったし、少女と少年が心を通わせていく流れも素晴らしかった。

作者はどうして中途半端に時代を固定してしまったかな? 時代設定を曖昧にしておけば「いつの時代の話だか知らないけど、まあ…昔の話だから仕方ないか」と思えただろうに。

成長物語としては素晴らしいだけに、この微妙な設定が残念でならない。妄想設定で行くなら佐々木丸美くらいぶっ飛んでいないと読者としてはついていけない。

このシリーズはもう1冊あって、主人公が母親になった話が出ているとの事なのだけど、正直ちょっと迷ってしまう。主人公が母親って事は間違いなく現代の物語になるはずなのだけど、ちゃんと現代を描いてくれるのだろうか?

気が向いたら読むかも知れないけれど、今の時点では絶対に読みたいとはとても思えない。

色々と残念な作品だった。

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白い木蓮の花の下で
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