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さゆり アーサー・ゴールデン 新潮文庫

外国人の書いた花柳小説。「外国人に日本の芸者風俗が書けるのだろうか?」と、少々疑問に思いつつ手にとってみたのだが、なかなかどうして。

花柳界のしきたりなども、しっかり調べていて、かつその当時の日本のこともよく調べていて舌を巻いた。

外国人が容易にイメージするであろう「芸者像」から、一歩抜きに出ていて、ちゃんとした花柳小説になっていると思った。

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さゆり

  

小さな漁師町で育った娘・千代は、昭和のはじめ、9歳で祇園の置屋に売られる。

その愛らしさが仇となって先輩芸妓から執拗ないじめを受け、また姉と故郷に逃げようと企てて失敗、たちまち苦境に立たされる。

そんなとき、忘れがたい運命の出会いが…。ひとりの芸妓の数奇な一生を描いた全米ベストセラー小説が待望の文庫化。

アマゾンより引用

感想

ヒロイン「さゆり」の一人称で話がすすんでいくので、かなり読みやすい。

子供時代から始まって、少女から大人の女へと変わっていく様はなかなか興味深かった。まぁ、そこそこに面白かったと言っても過言ではない。

が、残念ながら「すっごく面白かった。夢中になった」とは言い難いのだ。すごく頑張って書いているとは思うのだが、及第点しかあげられないのだ。

なぜなら、花柳小説は読み応えのある良質なものが多いのである。そのレベルと、較べるとどうしても見劣りしてしまうのは仕方のないことだろう。

もっとも足りなかったのは女の情念ではないかと思う。

花柳小説の魅力とは、人生に翻弄されるヒロインの生き様と、そこに描かれるドロドロとした女の情念だと思うのだが、その辺が全く生きていなかった。スッキリ味では物足りない。

特に、舞妓時代に同輩と繰り広げた足の引っ張りあいは「ビジネスの世界じゃないんだから、もうちょっとドロっと書いてくれないかなぁ」と思わずにはいられなかった。

作者が男性だから、女性の心が描ききれなかったのかも……と思ってみたが、吉原を舞台にした(こちらは芸者ではなく娼妓だが)藤真一『吉原炎上』などは、男性作家の筆でも充分過ぎるほど面白かったので、作者の性別だけで決め付けることは出来ないと思う。

やはり、外国人が書くのは難しい題材なのだろうか。

読書的には不満の残る作品だったが「よく頑張りましたで賞」を進呈したいと思わせるような、熱の入った作品だった。

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