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メリーゴーランド 荻原浩 新潮社

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荻原浩は初挑戦の作家さん。

『メリーゴーランド』想像していたより面白くて吃驚しちゃった。

冴えない公務員が、第三セクター方式の寂れたテーマパークを再生させる物語。

個性的な仲間達と、1つの目標に向かって頑張る…という構図は、ありきたりであったけれど、ノリの良さは嫌いじゃない。

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メリーゴーランド

過労死続出の職場を辞め、Uターンしたのが9年前。

啓一は田園都市の市役所勤務。愛する妻に子供たち、あぁ毎日は平穏無事。…って、再建ですか、この俺が?あの超赤字テーマパークをどうやって?!でも、もう一人の自分が囁いたのだ。

“やろうぜ。いっちまえ”。平凡なパパの孤軍奮闘は、ついに大成功を迎えるが―。

アマゾンより引用

感想

通勤電車で読むには、もってこいの1冊だと思う。

現実的に考えると、物事がそう簡単に進む訳はないのだけれど、それはそれ…ってことで。勤め人なら「分かるなぁ」ってところが見出せるのではないかと思う。

理想は理想として、目を瞑っていかなければならない事があったり、いつしか自分自身も「慣れ」というものに毒されきって、死んだ魚のような目になっていることに気付いちゃう瞬間があったり……と言うような。

ものすごく調子の良い夢見がちな話かと思っていたのに、ラストでちゃんと現実を突きつけてきたのは流石だと思った。

ただ、こっそり物語の鍵を握っていた徳永さんの扱いの酷さには「ちょっとなぁ」と思った。

後味が悪そうでいて「あぁ、でもそう捨てたもんじゃないね」って風に引っ張っているのが見えるだけに。

ちょっとばかり勢いに欠ける作風だし、小手先な雰囲気が見えなくもないけど、ストーリーの組み立ての良さは及第点だと思う。

荻原浩の作品はこれからも読んでみたいな。

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