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ミーナの行進 小川洋子 中央公論新社

久しぶりの小川洋子。最近はガッカリさせられる事が多くて敬遠していたのだけど、ふと読みたくなって手に取ってみた。

ものすごく少女漫画チックな舞台設定で、読み始めは物凄くドキドキさせられた。岡山で生まれ育った少女が、とある事情から兵庫県の芦屋市に住むお金持ち(しかもドイツ人と国際結婚をした)伯母の家で暮らした日々の思い出を甘く描いた作品だった。

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ミーナの行進

美しくて、かよわくて、本を愛したミーナ。あなたとの思い出は、損なわれることがない―

ミュンヘンオリンピックの年に芦屋の洋館で育まれた、ふたりの少女と、家族の物語。

あたたかなイラストとともに小川洋子が贈る、新たなる傑作長編小説。第四二回谷崎潤一郎賞受賞作。

アマゾンより引用

感想

私は学生時代に物語の舞台になった近辺で過ごしていたので、懐かしさも手伝って、アッっと言う間に物語の中に入り込んでしまった。

ダンディな伯父さん。素敵な伯母さん。そして身体の弱い美少女の従妹……これを少女小説と呼ばずして、何を少女小説と呼ぼうかと言うほどの甘い設定に「よくぞ、ここまでやってくれました!」と思わず拍手してしまいそうになった。

しかし、そのドキドキ感は途中で終わってしまった。

唖然とするほど都合の良いラストにガッカリしてしまった。あの砂糖を吐きそうなほど甘ったるい設定は物語を「不幸」というカタルシスに向けて走らせるためのスパイスだと信じて疑っていなかった私は「みんな幸せになりましたとさ。めでたしめでたし」なラストに茫然としてしまった。

少女小説の王道とも言える『若草物語』や『赤毛のアン』でさえ、不幸を描くことを惜しまなかったと言うのに、いったいあれは何なのだろう?

少女漫画ならまだしも、大人向けの小説に、このスイーツっぷりは戴けない。

伯父の不倫が唯一の影とも言えるのだけど、かつての作者なら、その辺りからブスリブスリと針を刺してくれただろうに、どうしてあんなに甘ったるく締めてしまったのだろうか。

小川洋子もうダークな路線は書かないことにしたのだろうか。残念でならない。

私はもう小川洋子を読むのは無理かも知れない。

今後は、かつて愛した作品を繰り返し読みつつ新作には手を付けないような気がする。アマゾンのレビューなどでは好評のようだけど、私個人としては非常に残念な1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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