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うなぎ女子 加藤元 光文社

あまりにも美味しそうな表紙だったので思わずジャケ借りしてしまった。

私はお店でちゃんとした鰻を食べた経験が乏しいことも手伝って、鰻が大好物…ってほどでもないけれど、どちらかと言えば好きな食べ物だ。

そして何より鰻は高級食材なので特別感や憧れがあるので手に取らずにはいられなかった。

この本の表紙を作ったデザイナーさんはセンスあると思う。

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うなぎ女子

鰻屋「まつむら」には、売れない俳優と所帯をもつ女実業家、大学教授と見合いする立ち食い蕎麦屋のおばちゃん、文学賞を受賞しベストセラーを夢見る小説家などが、悩みを抱えのれんをくぐる。ひとりの男をめぐる五人の女たちの辛苦。まずはうなぎを食べよう!

アマゾンより引用

感想

ある鰻屋と鰻を愛する1人の男に関わる5人の女を主人公にした連作短編集。

1つ1つの話を独立させて読むことも出来るし、繋げて読めばさらに物語が深まる…と言う連作短編のお手本のような作品だった。

鰻も男も上手いこと話に絡めているし、大きな物語としても成立していてね作り込まれた作品だと思う。

しかし残念ながら私の好みではなかった。

5人の女はそれぞれ違った形で売れない俳優の権藤祐市と関わっていく。権藤祐市はテンプレ的な「駄目な男」で当然ながら、女達は彼に振り回されたり不幸になったりするのだけれど、どっこいそれでも生きている…みたいな流れ。

ハッピーエンドとまではいかなくても、女達はそれぞれの生き方をちゃんと見つけて終わっていて読後感は悪くない。

しかし5人揃って「ダメンズにハマる女」って感じの性格なので、読んでいて途中で飽きてしまった。

せめて軸になる権藤祐市が面白い男なら良かったのだろうけど、ありがちなエピソードを繋いでいるだけのキャラクターなのでイマイチ思い入れる事が出来なかった。

どのキャラクターにも共感出来なかった上に「この人達どうしてこんなに不幸体質なんだろう」とウンザリさせられたけれど、権藤祐市の母親だけはちょっと面白かった。

今も昔も飲食店で働く女の中には権藤祐市の母のようなタイプの人って多いように思う。

明るくて元気でサバサバしていて客あしらいが上手くて。ちよっと知っている人に似ていたので、よけいに気になったのかも知れない

題名にもなっている「うなぎ」と鰻屋の扱いは良かったと思う。

鰻って高級食材でなかなか手が出ないこともあり、ご家庭によってその扱いは違うかと思う。

私事でなんだけど、私の実家は鰻屋にうなぎを食べに行く習慣はなかったけれど、夫の実家は何かの折に家族で鰻屋にうなぎを食べに行く家だったらしい。

この作品は「鰻と人との関わり」もテーマになっていて5人の女達はうなぎに対して、それぞれ別の思い入れを持っているので、誰か1人くらい「私もそんな感じだ」とか「うちの家も同じスタンスだったな」と言うような話が見つかるのではないかと思う。

あれこれ書いてみたものの「うなぎ美味しそう」とか「うなぎ食べたくなっちゃった」と思ったくらいで、心に響かない作品だった。

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白い木蓮の花の下で
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