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諦めない女 桂望実 光文社

面白かったと聞かれたら、まぁ面白かったし、それなりに希望が見い出せるラストではあったのだけど、読後ものすごく微妙な感じのする作品だった。

『諦めない女』は一応ミステリ系の部類だと思うのだけど、盛大にネタバレしていくのでネタバレが苦手な方はスルーでお願いします。

 

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諦めない女

出来ればネタバレ抜きで読んで戴きたい気がするもののネタバレせずに感想を書くのは非常に難しい作品なのでかたじけない。

感想

6歳の女の子が誘拐されるところから物語スタート。

最近は不思議と女の子の誘拐とか殺人をテーマにした作品が続いて、前知識無しに手に取ったものだから「まいったな…また女児誘拐か…」と陰鬱な気持ちになってしまったのだけど時既に遅し。

血生臭い話に発展していくのかと思っていたら、物語の前半は「誘拐された我が子が生きていると信じ続ける母親」がメインで話が進んでいく。

「なるほど。母の愛系の話しか…」と思っていたら、これまた場面が変わって今度は誘拐された女の子のターン。

誘拐された女の子は母親の勘の通り生きていて、とある外国の島で暮らしている…と言う設定。

世界的な誘拐団の手によって日本人の子どもたちが集められていて、その目的は子ども達から臓器を抜いたり、希望する人間に売り飛ばす…言うもの。

誘拐された女の子は小説の主人公らしく可憐で頭が良くて性格も良くて実に健気。隔離監禁物としてもなかなか面白いと思う。

「幼少期をある場所に隔離されていた」という設定の小説って、女性作家さんがよく使う手法だけど、この作品の隔離監禁は上手いと思う。子ども同士の関係や、隔離監禁されることにより、早く大人にならざるを得なかった子どもたちの姿が丁寧に描かれている。

そして次は誘拐された女の子が帰国してからのターン。

結局、事件は解決して子どもたちは親元に帰ることになるのだけど、単純に「めでたしめでたし」にはならず、最後の問題に突入。

流石にここからのネタバレはしないけれど、とにかく盛りだくさんの内容でなかなか濃い1冊だった。

題名になって『諦めない女』女とは、誘拐された我が子が生きていると信じ続けていた母親でもあり、その娘でもあり、事件を1札の本にまとめようとしているライターの事でもあった。

臓器提供ネタと言うと最近の有名どころだとカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』の中でも描かれているけれど、このネタを持ってくるとハッピーエンドだろうがなんだろうが、読後感の悪さは仕方がないところ。

この作品の場合、救いのあるラストになってはいるものの読後感は決して良くない。なので生理的に受け付けない人もいるのではないかなぁ…と思う。

話がどんどん進んでいくのでサクサク読めるし、ドラマティックではあるけれど「誘拐」「母の愛」「臓器提供」と、ネタを山盛りに突っ込んできたぶん、それぞれのインパクトが弱くなっているのが残念に思う。

登場人物に思いを寄せようとしても「まぁ…この状況じゃ仕方ないよね」としか思えないと言うか。

力作には違いないし、アッっと言う間に読める面白さではあるけれど、詰め込み過ぎたがゆえのアッサリ感は残念に思う。

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白い木蓮の花の下で
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