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氷の轍 桜木紫乃 小学館

北海道を舞台にしたミステリ作品。80歳になる元タクシー運転手の殺人事件にまつわる物語。

殺人事件を追うことで様々な人間の過去が浮き彫りになってくる。ミステリと言っても、殺しがどうのこうのと言うよりも親子関係、人間関係の物語って感じ。

私は知らなかったのだけどテレビドラマ化されていた。もしかしたらドラマ化ありきで描かれた作品なのかな…と言う印象。

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氷の轍

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北海道釧路市の海岸で男性の死体が発見された。被害者は青森市出身の元タクシー乗務員。80歳で生涯独身、身寄りなし。

主人公である道警釧路方面本部刑事第一課の大門真由は、定年間近の先輩刑事・片桐と捜査を開始する。

著者のミステリーは謎の究明と共に、事件が起こる瞬間の“魔”を描き出すことに長けている。

大門たちは、被害者宅で見つけた北原白秋の詩集、着ていた白い麻のシャツ、歓楽街で働いていた過去など、わずかな糸から事件をひもとき、地道に時に大胆に、被害者と縁が深い女性たちに迫っていく。

アマゾンより引用

感想

裸の華』が最高に面白かったので、すごく期待して読んだのだけど「あれ? なんか仕事、雑じゃないですか?」と言う印象。

悪くはない……悪くはないけど、心にガツンとくるほど面白くもない。たぶん、数年経ったら、内容を忘れちゃうも思う。そのくらい雑。

裸の華』の圧倒的な感じを期待して読むとガッカリすると思うので、桜木紫乃ファンは要注意だ。

さて。物語の何が雑だったか…って話をしたいと思う。大きな理由は2つある。

1つは軸になる登場人物が多過ぎるって事。テレビドラマにするには良い感じなのだろうけれど、雑然として1人1人の個性が描ききれていない気がする。

まぁ、ミステリならこんなものかも知れないけれど、これまでの桜木紫乃作品からるすと「なんだかな~」と思ってしまった。

もう1つは殺人事件に至る動機だ。

まぁ分からなくは無い。分からなくは無いけど「え? 殺すようなこと?」と思った人は私だけではないと思う。殺人を起こすまでの感情のうねりを感じなかった。

1つ目の理由とも繋がっていくけど、登場人物を増やしてしまったことで丁寧さが犠牲になった気がする。

物語の作り方は相変わらずお上手で、それなりに面白いし悪くない。

ちょっとした人物描写なんかはやっぱり上手くて「分かるわぁ」とか「それって、あるある」と思う部分は沢山あった。

期待ハズレで残念ではあったけれど、多作な作家さんってどんなに凄い人でも「これはちょっと…」って作品が沢山あるように思う。

例えば私が愛してやまない遠藤周作でさえ「いやぁ…遠藤周作は好きだけど、コレは無いわぁ」って作品はけっこうある。

三浦綾子なんかも微妙な作品が多い印象。もしかした作者も多作系の人なのかな…と思ったりした。

個人的には非常にガッカリな作品だったので、次の作品に期待したいと思う。

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