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子育てはもう卒業します 垣谷美雨 祥伝社

個人的に絶賛開催中「垣谷美雨祭り」の第4段。

同じ大学を卒業した3人の女達の「その後」を描いた物語。それぞれの就職、結婚、出産。子離れまでを追っている。正直、この作品を1番目に読んでいたら次の作品は読まなかったと思う。

可もなく不可もなく。「ほうほう。それでそれで」以上の感想を持つ事が出来なかった。

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子育てはもう卒業します

ザックリとこんな作品
  • 主人公3人体制の作品。
  • 主人公その1。息子を憧れの学校に入れるため必死なお受験ママ。
  • 主人公その2。堅実な職業に就いてと娘の就活に口を出す母。
  • 主人公その3。勘当同然で押し切った結婚を後悔する女。
  • 就職、結婚、出産、嫁姑問題、など女性の生き様を描いた作品。

感想

主人公3人体制。3人とも違うタイプのパートナーを選び、まったく異なる人生を歩んでいくのだけれど、人間の根本的な部分が似通っているせいか、主人公を3人にした意義を見出す事が出来なかった。

違う人生を歩みながら、3人は「なんか似ている」のだ。

「女性の根本って同じなんですよ」って事かも知れないけれど、私にはイマイチ受け入れる事が出来なかったのだ。

人生はなかなか自分の思うようにはいかないのが常。

主人公達はそれぞれに悩みがあったり、それに立ち向かっていくのだけれど、3人とも私から言わせると「ああ。もう面倒臭い女だな」としか思えなかったのだ。

3人が大切にしているのは他人に対する見栄だの世間体だので、3人の悩んでいる事にしたって「そんなに嫌なら自分で努力すればいいじゃない」としか思えない事ばかりだった。

嫁姑問題しかり、夫の問題しかり。主人公達の立場に立って応援する事が出来ず、むしろ「そりゃあ…あなたがそれでは仕方ないんじゃない」としか思えなかったのだ。

作者の作品を読んでみて思ったのは「すごく器用な人だな」って事と「物語をまとめる力のある人だなっ」てこと。この作品の場合、それほど面白いとは思えなかったのだけど、ラストは綺麗にまとまっている。

ハッピーエンドで突っ込むところもなく、主人公達はそれぞれ成長しているのだ。だけど小物感が半端ない。

桐野夏生の描く女のしたたかさも無く、村田喜代子の描く女の不思議さもない。良くも悪くも「その辺にいそうな女」ばかりなのだ。

「その辺にいそうな女」が主人公の場合、物語の設定が面白くないと話自体が面白くなくなってしまう。『女たちの避難所』の場合は東日本大震災という非日常が舞台だったし『老後の資金がありません』の場合は次から次へと襲ってくる災難が面白かった。

しかし、今回の場合は「普通の女の一生」なので読み応えがなかったのだと思う。

とりあえず『垣谷美雨祭り』はこれにて終了。

現在2勝2負。祭りが開催された時は「著作を全部読み尽くすぞ」と言うほどの勢いだったけれど、すっかり熱が醒めてしまった。

垣谷美雨の作品はまた気が向いた時に追々と読んでみようと思う。

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白い木蓮の花の下で
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