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満月物語 薄井ゆうじ ハルキ文庫

面白かった。薄井ゆうじの書く「愛の形」は、私の身体にピッタリ馴染む。

ちょっと不思議な話を書く作家さんだとは思っていたけど、今回の作品を読んで確信した。薄井ゆうじは愛を書く小説家なのだ……と。

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満月物語

二十年以上も会っていない祖父からの突然の手紙で、僕は祖父の住む南の島にやってきた。

そこで出会った祖父の養女である小夜子は、実は光る竹の中から産まれたかぐや姫であり、満月の晩に迎えに来る船に乗って、月に帰らなくてはいけないのだと聞かされる。

「引き留めてほしいんです」この世に未練を残す小夜子の思いに僕は…。現代に蘇ったかぐや姫を描く、幻想的な恋愛小説。

アマゾンより引用

感想

「恋」ではなく「愛」というところが味噌なのだ。

恋愛を書く作家さんで、私がもっとも好きなのは中山可穂中島らもだが、彼らが書くのは「恋」なのだ。

頭がオカシクなってしまうような、あるいは身も心も滅ぼしてしまうような激しい恋を書くけれど「愛」とは少し違うような。

どんなに夢中になったとしても、その先に終わりが見えているのが切なくて素敵なのだが、薄井ゆうじの書く「愛」は、終わりのない感じがするのだ。

彼の書く愛は、滔々と水をたたえる湖か沼のようで、捉えどころがない。そして、それはアガペの愛ではない……と言うところも、興味深い。

この作品でも思ったが、薄井ゆうじの書くセックスは、特異な感じがして、とても良い。

エロティックでもなんでもなくて、だからと言って生殖行為のイメージもなくて。彼の書くセックス描写は、格別に好きだ。いっとう好きだと言っても過言ではない。

この作品は『竜宮の乙姫の元結いの切りはずし』と同じ系列の話とのことだが、確かに合わせて読むと良いかも知れない。幻想的というか、メチャメチャな話と言うか。微妙に破綻しているところが、薄井節なのだろう。

1つ文句を付けるのならば、あまりにも女性が神格化され過ぎているというところだろう。松本零士の描く女性像と、少しかぶる。

作者の描く女性は「こんな女はいないだろう」というような女性ばかりだ。世の中にメーテルのような女性がが存在しないのと同じくらい、薄井ゆうじの書く女性も存在しないのだ。

何度も読み返したくなるような、肌に馴染む1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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