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樹の上の草魚 薄井ゆうじ 講談社文庫

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私はもう薄井ゆうじファンを名乗っても良いかも知れない……と思うほどに、薄井ゆうじの作品を追っているのだが、今回はいただけなかった。

心情的についていけないと言うか、軽く憤りを感じたと言うか。

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樹の上の草魚

ペニスのことなんて、いったい誰に相談すればいいんだ? 僕は、男なのか女なのか? いや、そもそも僕はなんなのだろうか?

アンドロジナスな主人公、そして登場人物の温かく細やかな心のゆらぎは、読む者の内面にやさしく触れ、本当の自分を気付かせてくれる。温かく比類なき感動をよぶ、吉川英治文学新人賞受賞作。

アマゾンより引用

感想

薄井ゆうじは、突拍子もない設定が多くて、それが魅力でもあるだが、今回のテーマばかりは、いささか眉をしかめてしまった。

両性具有だの、ペニスが取れて女になるだのってテーマが駄目だと言うつもりはないが、茶化されてしまうと興醒めなのだ。

下衆な意味での好奇心をそそるテーマではあるが、現実問題として存在する話なだけに、安易にファンタジー化してしまうのはなぁ……などと、ついつい頭の堅いPTAのオバサンのようなことを思ってしまった。

性のボーダーラインって、微妙だと思う。実際、薄井ゆうじの作品からは、そこはかとなく女性っぽさが漂っているように思う。なので、そういう世界に興味があるのか、もしくは…

だからって、茶化して良いようなテーマではない。

今まで読書録に書いたことはなかったけれど、私が彼の作品に惹かれている理由の1つとして「微妙なセックス描写」とか「微妙な愛」ってところがあるのだが、それも、ここまで来てしまうと、お手上げなのだ。

軽く不愉快を感じた作品だった。

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