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模範郷 リービ英雄 集英社

図書館で表紙に惹かれて手に取った。

作者のリービ英雄については全く知識は無かったのだけど「名前から想像するに日系アメリカ人の戦争回想録とかそんな感じなのかな」と予想、

リービ英雄は日本人とアメリカ人のハーフで、台湾で育った人だった。

この作品は自伝的小説と言うか、回想録のようなもので、生まれ育った場所「模範郷」を訪れる経緯が描かれている。

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模範郷

「ぼく」はここ何年も中国大陸の内陸部へ通っていた。それは、「あの時代の台湾はもう台湾にはない」と知人に言われ、幼少期に住んでいた台湾の、模範郷と呼ばれた故郷の面影を中国内陸部に見つけるためだった。

そんなとき、「ぼく」は、台湾の大学で教鞭を執る日本人研究者から、「あなたが子どものころに住んでいた家を探してみないか」という手紙を受け取り、ついに約半世紀ぶりに故郷を訪ねることを決意した。

濃密な文体と混淆する記憶が紡ぐ、〈時〉の旅人の物語。

アマゾンより引用

 

感想

正直、知識不足でイマイチ物語に入り込む事が出来なかった。私は台湾に対する知識が無さ過ぎるらしい。

台湾は観光地だとか、親日国だとか、中国のようで中国でな国…と言う通り一遍の事しか知らない。今まで生きてきて1度たりとも台湾について深く考えた事もなければ、知りたいと思うこともなかったのだ。

さらに言うなら、この作品は故郷と呼べる場所がある人には想像もつかないところがあるように思う。

多言語に親しむ主人公(著者)の胸の内は察する事は出来ても共感する事が出来なかった。

小説としてのめり込む事は出来なかったけれど「台湾を知る」と言う意味では興味深い作品だった。

この作品で描かれている台湾は台湾の側面でしかないと言う事は理解しているけれど「台湾についてもう少し知りたいな」と思えたのは私にとって収穫だった。

雲をつかむような感じで読み進めていたのだけれど、パール・バックの『大地』についてのくだりは面白かった。

『大地』は私も大好きな作品で、はじめて読んだ時に「アメリカ人がどうしてこんな物語を書けたのだろう?」と衝撃を受けた覚えがある。

この作品の中でも『大地』に関して、当時の評価などが書かれていて、なんだか賢そうな文章になっているのだけれど「面白ければいいんだよ」と言う結論に行き着いているのが興味深かった。

結局のところパール・バックの『大地』は圧倒的に面白い読み物なのだと思う。

私には難しい作品だったけれど、他国語に興味がある人なら面白く読めるのではないかと思う。

知識的欲的には満たされたけれど「面白いかどうか」と言う意味では、正直ちょっとイマイチだった。

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