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一つの花  今西 祐行 集英社みらい文庫

娘は小学校4年生。国語で『一つの花』を音読するようになった。

娘の小学校では国語は光村図書の教科書を使っている。私も子どもの頃、光村図書の教科書だった。ちなみに夫も光村図書だったらしい。なので国語は知っている作品が多い。

30年以上も教材が変わらない…と言うのは、それだけ名作って事なのだろうか?

ともかく娘が4年生に上がった時「いつか『一つの花』を聞かされる訳だな」と覚悟はしていたけれど、ついにその日がやって来てしまった。

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一つの花

ザックリとこんな内容
  • 物語の舞台は第二次世界大戦中の日本
  • 主人公「ゆみこ」の口癖は「ひとつだけちをうだい」
  • 出征する父親を見送るゆみことその母。しかしゆみこは「ひとつだけちをうだい」とお父さんのおにぎりをねだる。
  • おにぎりを食べ尽くしても「ひとつだけちをうだい」と食べ物をねだるゆみこにお父さんが差し出したのは一輪のコスモスの花だった。

感想

教科書にはどの学年にもお約束のように哀しい話が仕込んである。『一つの花』『ちいちゃんのかげおくり』『スーホの白い馬』『ごんぎつね』あたりは鉄板。

違う出版社の教科書を使っていた方には、それそれで哀しい話があったと思うのだけど、どこの出版社も戦争物と理不尽な悲劇は必ず仕込んであるように思う。

さて。私は小学生の頃『一つの花』の物語が好きではなかった。

主人公のゆみこは「一つだけちょうだい」と言って、出征するお父さんに用意したおにぎりを食べてしまった上で、さらに「一つだけちょうだい」と、おにぎりをせがむ。

子どもの頃は「なんて聞き分けのない子なんだ。お父さんと今生の別れになるかも知れないのにケシカラン話だ」と憤慨していた。

……とは言うものの、当時の私は小狡い子どもだったので「戦争の話だから、戦争はイケナイと思います…みたいな感じでまとめときゃOKだよね」と適当に乗り切った覚えがある。

しかし大人になって読むと感想が180度変わってくる。

主人公、ゆみこの年齢は書かれていないけれど幼児である事は間違いない。

「おにぎり」をキチンと発音出来ない事から察するにゆみ子はの年齢は2歳児だと思われる。魔の2歳児に「父親が出征するからお利口でいなさい」と言っても無理な相談。

お腹が空けば食べ物の事ばかり考えてしまうのは当たり前。むしろ暴れないだけお利口だとも言える。

そして我が子にお腹いっぱい食べさせてやれない両親はどんな気持ちでいたかと想像すると、それだけで胸が痛くなる。

親子の別れと夫婦の別れ。コスモスの花を渡して去っていく父親はどれほど切なかっただろう。そして夫の死後、女手一つ娘を育てる母親とか!

娘の音読を聞いていると、うっかりすると泣きそうになってしまう。

教科書に載っている鬱系の教材って学習した時よりも後になって効いてくる。

もちろん頭の良いお子さんなら、内容をちゃんと理解出来ると思うのだけど、そうでない子どもたちはトンチンカンな受け取り方をして流しちゃってるんじゃなかろうか。

選ばれる教材については賛否あるとは思うのだけど、大人が読んでもグッっとくるあたり国語の教科書って案外侮れない。

むしろ子どもより大人の方が深く味わえるのではないかと思う。

ただ、今の国語の教科書の教材ラインナップで子どもたちが「国語好き!」「文学って面白い!」と思ってくれるかどうか…となると、それは別の話。ラインナップがどうであれ、今も昔も好きになる子は一定数いるだろうとは思うけど。

娘が『一つの花』の学習を終えた後、どんな感想を聞かせてくれるのかを楽しみにしている。

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白い木蓮の花の下で
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