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ハーレーじじいの背中 坂井希久子 双葉社

現代の小説において「じいさん」と「ばあさん」は黄金アイテムだと思う。

世の中、なんだかんだ言って自分の祖父母が好きな人って多い。

世の中には喰えない年寄りがわんさかいて「老害」なんて言葉があるくらいなのに、小説に登場する「じいさん」と「ばあさん」は素敵な人達が多いのだ。

そして素敵を通り越して超人になっちゃっている事もある。

この作品のじじいも超人の域。普通の小説だったら「そんな奴おらんやろ」と突っ込みたいところだけれど「相手はじいさんだし、まぁいいか」と思ってしまう不思議。

小説の中で活躍するじいさんとばあさんは小説の神様から免罪符を貰っているのではないかと思う事がある。

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ハーレーじじいの背中

真理奈は進路に悩む高校三年生。母方の祖母である清ばあは惚けが進み、父とその両親は家でゴロゴロ。

友人との三角関係にまで巻き込まれた真理奈の前に、母方の祖父である晴じいが愛車ハーレーに乗って豪快に現れた。

晴じいに連れ出された真理奈の旅の行方は!?人情ものの名手が涙と笑いに包んで贈る家族小説の傑作!

アマゾンより引用

感想

この作品に登場するじいさんは「ハーレーじじい」とあるだけあって、ハーレー乗りだ。しかも家族をかえりみないタイプ。

主人公は女子高生で、いままて祖父と向き合った事がなく、ふとしたキッカケから祖父と旅に出ることになり、祖父の人生を通して今まで自分が知らなかった祖母や母の人生に触れる。

一応、青春小説とか成長小説と呼ばれるジャンルだと思うのだけど「じいさんカッケー!」を楽しむだけのじいさん小説だと思う。

アッケラカンと明るく楽しい作品だと思う。

格好いいじいさんを存分に楽しめる作品だ。そもそも「ハーレー乗り」ってだけで憧れちゃう。

主人公は祖父との旅を通じて祖父の人生を知り、自分と向き合っていく。ラストもハッピーエンドで気持ちが良い。

1種のファンタジーとして読む事が出来れば楽しい作品だと思うけれど「こんなじいさん、いる訳ないし。

そもそも綺麗事ばかり書いているけれど、冷静に考えてみれば、このじいさん人として最悪なんじゃないの?」と思う人もいるかと思う。

じいさんにはリアリティが無く、格好いいじいさんとして描かれているけれど、良く言えば自由人。悪く言えば人でなし。

『男はつらいよ』を楽しめないタイプの人にはオススメできない作品だ。

私は楽しく読ませてもらった。私はバイクの免許すら持っていないけれど、ハーレー大好きだし。

理屈抜きで憧れてしまう。

ちょっとショックだったのは、ハーレーじいさんは安田講堂事件に関わっていた…って事実。安保闘争って、小説の題材にもよく登場するけれど、そこで活躍した人達が「爺さん」と言う設定に驚愕した。

実際、その世代の人達は老人になっているのだから、当たり前と言えば当たり前の話なのだけど。

私の中では「安田講堂事件=青春=若者」と言う刷り込みがあったため「時代は変わってしまったんだなぁ」なんて気持ちにさせられてしまった。

この作品、映画化したらウケそうな気がする。

ベテラン俳優と可愛い新人女優を起用して作ったら絶対に面白い。私が映画監督だったら、映画化したい。そう思えるくらい楽しめる作品だった。

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