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声のお仕事 川端裕人 文藝春秋

川端裕人の作品を読むのは随分と久しぶり。

ハマっていた時期があったのだけど、いつの間にか遠ざかっていた。

現在、活躍している男性作家さんの中で子どもや若者を書かせたら、川端裕人の右に出る人はいないと思う。

特に「普通っぽいいい子」の描写が毎回素晴らしいのだ。

今回は声優がテーマ。作品がアニメ化された事で声優をテーマにして書いた作品とのこと。新人声優の成長録ってところだろうか。

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声のお仕事

二十代後半にして代表作がない崖っぷち声優の結城勇樹。背水の陣で臨んだ野球アニメ「センターライン」のオーディションで出会ったのは、同世代の人気声優、大島啓吾だった。

現場で顔を合わせたことのない結城と、いっしょに仕事がしたいという大島。

その理由は、二人の過去にあった。声優たちの世界に光をあてたリアルな青春お仕事小説。

アマゾンより引用

感想

私は本を読むのが好きだけど、それと同じくらいゲームとアニメを愛している。

なので「好きな作家さんがアニメ関係の話を書くとは、なんて私得!」とワクワクして手に取ったのだけど、残念ながらちっとも面白く感じなかった。

たぶん、川端裕人は「声優」と言う仕事に対して敬意を持ってはいるものの、基本的にアニメやヲタク文化に興味の無い人なのだと思う。

もうね…文章から「愛」とか「萌え」が感じられないのだ。

ヲタク業界をテーマにして書く場合「萌え」の理解なくして話を書くのは無理だと思う。

主人公は新人声優の青年。子どもの頃、病気で入院していた時にアニメや声優に興味のある少女と出会い、それがキッカケで声優を目指すことになる。

まぁ、このキッカケは悪くない。でも、決して上手いとも言えないキッカケだと思う。作品のテーマと「泣き要素」は相性が悪いと思うのだ。

お涙頂戴路線で書くなら、もっとぶっ込んでくれないと泣けやしない。

「不治の病の病弱少女」と言う設定を使いたいなら、白いワンピースを着用の上、砂浜か向日葵畑を走るくらいのサービスが無ければ、ヲタクは納得しないのだ。

残念だけど川端裕人は萌えを分かっていない。

声優の仕事については丹念に取材をしていると思うのだけど、いかんせん真面目過ぎて面白くない。

文章は軽めに作っているもののそこはかとなく漂う文部省推奨的な真面目さが作品の足を引っ張っている。

作風とテーマがミスマッチ過ぎて勿体無いことこの上ない。

私は川端裕人の描く優しい世界が好きだけど、今回は正直イマイチだった。

現役で活躍されている声優が協力しているので、声優ファンなら読んでおいて損はないと思うものの、そうでもなければどうなんだろうなぁ…と思う。

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白い木蓮の花の下で
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