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乱暴と待機 本谷有希子 メディアファクトリー

芥川賞受賞記念って事でもう1冊読んでみた。

お兄ちゃんから復讐される事を待っている引きこもりの妹と、その妹に復讐する事を考えている、お兄ちゃんの物語。

ちなみにお兄ちゃんと妹は血の繋がった兄妹ではなく、家族ぐるみのお付き合いがあったご近所さん。しいて言うなお幼馴染。

読んでいると幼馴染よりも「従兄妹」の関係に近い印象。

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乱暴と待機

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二段ベッドが置かれた、陰気な借家に同居する“妹”こと奈々瀬と“兄”英則。奈々瀬は家にこもり「あの日」から笑顔を見せなくなった“兄”を喜ばせるため日々「出し物」のネタを考えながら、英則からこの世で最も残酷な復讐をされる日を待ち続けている。

一方、英則はそんな“妹”を屋根裏に潜り込んでは覗く、という行為を繰り返していた。そこへ英則の同僚・番上が訪れ…。

アマゾンより引用

感想

兄と妹は古びたアパートの一室で暮らしている。アパートには鉄製の二段ベッド。二段ベッドの上と下で寝起きしているけれど、男女の関係ではない。

しかし健全かと言うとそうでもなくて、兄は時折天井裏に忍び込んで妹の様子を盗み見たりしている。もう、この設定を聞いたたけで「ごめん…ちょっと無理」と思う人もいるかと思う。

実際、かなり気持ち悪い設定だ。しかも主人公達の性格はかなり歪で読んでいて不愉快な気分になったりした。

好きか嫌いかを聞かれると「あまり好きじゃない」と思うものの「これ、舞台化したら面白いだろうなぁ」と思った。

そして後から知ったのだけど、舞台化したらどころか既に映画化されていた。流石は劇作家。

これは作者に限った事ではないのだけれど、劇作家出身の小説家が書く小説って、ちょっと独特な空気感がある。中島らも井上ひさしつかこうへい

大真面目に書かれていても、どこか浮き世離れしていると言うか、ファンタジー寄りと言うか。物語は「2人の間になにがあったのか」と言う問題を追う形で進んでいく。

兄妹の狂言回しと言うか舞台進行役のようなポジションで、もう一組の男女が加わる。舞台とか演劇が好きな人なら面白く読めると思うけれど、そうでなければ読み難いかも。

そして「復讐しなければならない理由」が明らかになって、オチがつくのだけど、私からすると少し肩透かしだった。

「えっ? ここまで引っ張ってきて、そんな理由だったの?」と思ってしまった。

ハマる人はハマる気がするけれど、私の好みではなかった。

でも、言いたいことは分からなくもないし、登場人物達は個性的で面白い。作者の作品を読むのはこれで3冊目だと思うのだけど、微妙に好みからズレている。

1冊読むとお腹いっぱいになってしまうので、次を読むにしても、しばらく間をあけてからにしようと思う。

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白い木蓮の花の下で
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