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下町ロケット2 ガウディ計画 池井戸潤 小学館

直木賞を受賞した『下町ロケット』の続編。

続編と言っても全く別の話なので前作を読んでいない人も楽しめると思う。

今度はロケットではなく医療機器。既にドラマ化されているようだけど、私は本を読むまでちっとも知らず、もちろんドラマも観ていない。

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下町ロケット2 ガウディ計画

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小学館
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ロケットエンジンのバルブシステムの開発により、倒産の危機を切り抜けてから数年――。
大田区の町工場・佃製作所は、またしてもピンチに陥っていた。

量産を約束したはずの取引は試作品段階で打ち切られ、ロケットエンジンの開発では、NASA出身の社長が率いるライバル企業とのコンペの話が持ち上がる。

そんな時、社長・佃航平の元にかつての部下から、ある医療機器の開発依頼が持ち込まれた。
「ガウディ」と呼ばれるその医療機器が完成すれば、多くの心臓病患者を救うことができるという。

アマゾンより引用

感想

流石は池井戸潤って感じのテンポの良い作品だった。

そこそこのボリュームがあるけれどサクサク読めて気持ちが良い。毎度おなじみ勧善懲悪で読後感は良いと思う。

テレビドラマの続編を作る事ありきで書かれたのか、既にドラマ化されていることを知らなかった私は「あ~。これドラマにしたら絶対面白いよねぇ」と思いながら読んでいた。

もしかしたら「ドラマにしたら面白い」ではなく「ドラマ用に面白く書いた」のだろうか。

安定の面白さだったけれど、正直言うと「ちょった飽きた」と思ってしまった。

文句のつけどころは無いのだけど、毒が足りないと言うか。

例えば、池井戸潤の初期作品『シャイロックの子どもたち』は金融物で胃が痛くなる展開が多かったけれど、それでも面白かった。

トラックの死亡事故がテーマになっている『空飛ぶタイヤ』は『下町ロケット』ほど完成度は高くなかったけれど、難しい問題にガチで取り組んでいる印象を受けた。しかしこの作品からはそんな熱さが感じられなかったのだ。

心臓病を患った子どもが出てきたり、人工弁を開発しようと奔走するとあるメーカーの社長は心臓弁膜症で子どもを亡くしていたりと、泣かせるエピソードは山盛りだったのだけど、どうも私には乗りきれなかった。

この作品に登場人物はおおむね良い人達ばかりで、善人と悪人が分かりやすく描かれていて、それが読んでいてスカッとするところに繋がっている。

それこそが作品を一本調子にしてしまった原因のような気がする。悪人になりきれず、そうかと言って善人サイドでもなかった中里と言う青年が私にとって唯一「なんか分かる」な登場人物だった。

なんだか文句ばかり書いてしまったけれど、面白い事に間違いないのだし、池井戸潤が好きなら読んでおいて損はないと思う。

だけど贅沢を言わせてもらうなら、次回作はもう少し毒があってもいいんじゃないかな……と思う。

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