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グレイのしっぽ 伊勢英子 中公文庫

『グレイがまってるから』『気分はおすわりの日』のに続く作品でグレイのシリーズとしては完結編にあたる。

ちなみに「グレイ」とは作者の飼っていたシベリアンハスキーの雄犬のことである。飼っていた……と過去形なのは、この作品でグレイが死んでしまうからだ。

『グレイのしっぽ』は前2作とは趣の違う哀しみに満ちたイラストエッセイ。

結果は分かっていたけれど、読者としてグレイを愛でてきた以上、最後まで付き合いたいと思って手にとった。

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グレイのしっぽ

抱きしめても抱きしめても指のあいだからこぼれていく時間と生のかけら―「今その瞬間のグレイ」を刻みつけたノートとスケッチを遺して、ほんもののグレイは風になってしまった。

最期の瞬間まで犬であろうとするグレイと、どこまでも絵描きであり続けなくてはいられない絵描きが見つめた生と死。

犬が描かせたスケッチ帖、三部作完結篇。

アマゾンより引用

感想

グレイは5歳という若さで癌に冒されてしまうのだが、この作品ではグレイの闘病生活と、その死が中心に描かれている。

たかが犬。されど犬。犬とはいえ「死」を直視するのは辛いことだ。

愛犬の死を前にして、作者は、こう書いている。

グレイよ、私はけして目をそらすまい。しっかりとお前の死をみとどけようと思う。お前は死ぬまで犬で、私はきっと死ぬまで絵描きなのだ。

どんなに愛している犬でも、どんなに愛している人でも、その苦しみを肩代わりすることはできないのだ。それと同時に、その生を生きることもできない。

どこまでいっても「個」は「個」でしかないのだと思うと孤独の深淵に身震いをしてしまうと同時に「個」が「個」であるからこそ、互いが触れ合う瞬間が大切に思えたりする。

他所様の「犬」が死んでいく過程を読んだに過ぎないのにうっかりと、べそべそ泣いてしまった。

私が犬好きだから、ツボにはまってしまったのかそれとも「犬」という媒体がなくても深い作品なのかその辺はよく分からないけれど少なくとも私にとっては、胸にグッとくる強烈な1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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