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エンジェル エンジェル エンジェル 梨木香歩 新潮社

梨木香歩の作品は、そこそこ数を読んできたけれど、私は『エンジェル エンジェル エンジェル』が1番好きだ。

題名のイメージから「女性向けのフワフワした口当たりの良い作品だろう」という思い込みから、いままで避けていたのだけれど、良い意味で裏切られてしまった。

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エンジェル エンジェル エンジェル

コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引き受けることで熱帯魚を飼うのを許された。夜、水槽のある部屋で、おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような表情でコウコと話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が目にしたものは―なぜ、こんなむごいことに。コウコの嘆きが、おばあちゃんの胸奥に眠る少女時代の切ない記憶を呼び起こす…。

アマゾンより引用

感想

『エンジェル エンジェル エンジェル』の内容は表面的には乙女ちっくだけど、その実かなり深い。

梨木香歩は『春になったら苺を摘みに』に、宗教的なことを求めていたことを書いていたけれど、この作品では作者の求めていたこと、あるいは疑問点をいっきに放出しているように思う。

「癒し」というよりも「溜息」の物語だと思う。

綺麗にまとまった風ではあるけれど、何ひとつ解決していないラストは素晴らしいと思った。

ヒロイン達が、神が「私が、悪かったねぇ。お前たちを、こんな風に創ってしまって」と思ってくれたら良いのに…と語り合う場面は最高に良かった。

彼女たちはそれで「とりあえず気が収まる」と言う。このやりとりは、遠藤周作の『沈黙』に通じる世界ではなかろうか。神

を信じようとしながら、神を恨み、呪い、それでもなお、すがりつこうとしているようなところが。

人間のどす黒い「悪意」が、品良く書かれていたところも好感度大。

汚らしいところは熱帯魚に託すという小細工も、洒落ていた。あえて残念なところを書くとするなら、子供向け…あるい若い人をターゲットにして書かれているので、少し重みに欠けるというところだろう。物足りない感があるのは正直なとこ否めない。

それにしても相対的に高評価。良い読書が出来たと思う。

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白い木蓮の花の下で
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