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老後の資金がありません 垣谷美雨 中央公論新社

垣谷美雨、初挑戦。直球過ぎる題名に惹かれて手に取ったのだけど文句なしに面白かった。

今まで、垣谷美雨の作品を読んだ事が無かったのが不思議に思うほど、文章がしっくり入ってきた。

物語を作るのも、人物を作るのも物凄く上手い。

浅田次郎とか池井戸潤を彷彿とさせる達者さだ。私は女性作家さんで、このテのノリを書ける人を他に知らない。

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老後の資金がありません

ザックリとこんな話
  • テーマは「老後の資金」。
  • 主人公は50代のパート主婦。夫は定年前。一男一女。長男は大学を卒業して就職。
  • 長女はフリーターなのに派手な結婚式を希望。
  • 減っていく貯金。足りないお金。そして…

感想

主人公は夫婦2人だけの暮らしをイメージしつつ「老後の資金」を考えようとしているのに長女の結婚式費用だの、夫の親の葬式代だのでみるみる貯金が減っていく。

その上、自分はリストラ。夫の会社は倒産と言う怒涛の展開。

その合間に主人公の友人達の話も盛り込んできて、超盛りだくさんの内容なのに最後まで綺麗にまとまっていた事に感心させられた。

私自身、結婚前は実家のことでお金の苦労を散々したので「みるみる貯金が減っていく」という状況は痛いほど分かる。

結婚式、お葬式、お墓の費用に法事の費用。見栄を張る人、節約する人。お金に対して価値観の違う人達がぶつかり合っていく様は面白いとしか言いようが無かった。

ドラマ化したら絶対に面白いと思う。

リアルかつシビアな話にも関わらず、後半はドタバタ劇になってラストは気持ちよく終わっている。ハッピーエンドとまではいかないけれど、読後感は爽やかで良い。

感心したのは作者の観察眼の鋭さだ。

驚くほど倹約家の主婦なのにバナナだけはコダワリがあって、580円もする台湾バナナを食べるがささやかな楽しみだと言うエピソードは特に好きだ。

また、お金持ちだったはずの老夫婦が散財して財産を使い果たしてしまっていたり、優雅なお金持ちだと思っていた人がとんでもない事情を抱えていたりするのは「ちょっと、これって似たような話を聞いたことあるような……」と思ってしまった。

普通に生きていると「よく聞くなぁと」と思えるようなエピソードが山盛りになっていて、どのエピソードもリアルに感じる事が出来た。

面白くて一気読みしてしまった。

物語を作るのがこんなに達者な女性作家さんがいたなんて。「他の作品も読まねば!」と早速別の作品を借りてきてしまった。作者のさく品はしばらく追いかけてみようと思う。

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白い木蓮の花の下で
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