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今日からは、愛のひと 朱川湊 光文社

私はなんだかんだ言って朱川湊の作風が気に入っている。

「人間っていいな」と思えるような作品が多くて、人の善意とか愛とかを信じさせてくれる夢見がちな作品が多い。

いささかヲタクっぽいと言うか、ラノベ的展開が多いの事は分かっていても「細けぇこたぁ、いいんだよ」と右から左へ流していけば、なんて事は無い。

だけど今回はついていけなかった。

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今日からは、愛のひと

無職宿ナシの亀谷幸慈は、秋葉原でカツアゲされていた記憶喪失の青年を助ける。

元天使だと自称する彼を利用して小金稼ぎをもくろんだ幸慈だが、失敗して絶体絶命の窮地に。そこに、一人の女性が救いの手を差し伸べてくれた。

彼女の家「猫の森」で始まった六人の共同生活。それは不思議なやすらぎに満ちたものだったのだが…。

アマゾンより引用

感想

職なし宿なしの主人公が、ひょんな事から助けた男とともに、流れ者同志集まって作る「猫の家」と言うシェアハウスで暮らすハートフルストーリー。

「猫の家」に集まってきた人達はそれぞれ脛に傷持つ身の上で「温かい愛情」を知らずに生きてきた。

他人同然だけど家族のような絆が生まれていく過程と、その後に待ち受ける驚きの超展開。

パラレルワールドだの、悪魔だの天使だの、大人のファンタジーが許容出来る人でなければ読むのが辛い。相当、読む人を選ぶ作品に仕上がっている。

私は大人のファンタジーもパラレルワールドもアリだった。尾崎豊をイメージした偶像が存在するのも分かる。しかし、犯罪者の扱いについてはいかんせん、納得がいかない。

「犯罪は悪い事だし許せないけれど犯罪を犯してしまった原因は可哀想な家族関係にあった」と言う流れは分からなくもない。

実際、犯罪を犯してしまう人は家庭環境に恵まれなかった人が多いと思う。だけど、あまりにも犯罪が軽く扱われている部分に違和感を覚えた。

酒鬼薔薇事件を下敷きにした窪美澄の『さよなら、ニルヴァーナ』を読んだ時にも思ったのだけど「犯罪者も救われるべき」と言う宗教的な考え方や救済も分からなくはない。

ただ、凶悪犯罪を犯しても人生やり直せてしまう日本と言う国で「犯罪者も救われなきゃね」って部分を前面に出してこられると「ちょっと、それはどうなんでしょうかね」と思ってしまう。

「真面目か!」と突っ込まれるかも知れないけれど、「真面目で何が悪い!」と返していきたい所存。

家族愛に恵まれなかった人達がシェアハウスで共同生活をするのはいい。

しかし、そこに過去の犯罪だのパラレルワールドだの持ち出さなくても良かったのではないかと思うのだ。ましてギャグ風味で茶化して描くならなおのことだ。

人間の罪を描いた作品なんて掃いて捨てるほどあるけれど、名作と呼ばれる作品は重苦しかったり、最後が悲惨だったりする。

そういう作品は読み難いけれど、それこそ作家の良心と言うものではないだろうか。

実在の犯罪を下敷きにした作品は過去にも沢山出ているし、名作だって多いけれど最近はちょっと軽々しく使われ過ぎな気がする。

新人作家さんがやっちまうならまだしも、直木賞作家がやる事じゃない。なんだか色々な意味でガッカリさせられた作品だった。

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白い木蓮の花の下で
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