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収容所(ラーゲリ)から来た遺書 辺見じゅん 文春文庫

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Amazon primeで公開されていた『ラーゲリより愛を込めて』と言う実話ベースの映画が予想外に素晴らしかったので「これは是非、原作を読まねば(使命感)」と思い、読んでみた。

映画も素晴らしかったけれど、原作は映画以上に素晴らしくて感激した。2024年はまだはじまったばかりだけど、私が2024年に読んだノンフィクション作品の中でナンバーワンの作品になる気がする。それくらい感激した。

事実ベースの作品なのでネタバレ込の感想になります。ネタバレNGの方はご遠慮ください。

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収容所(ラーゲリ)から来た遺書

ザックリとこんな内容
  • 敗戦から12年目。強制収容所(ラーゲリ)内で死去した山本幡男の遺書は彼を慕う仲間達の驚くべき方法によって遺族に届けられた。
  • ラーゲリに囚われた日本人捕虜達の生活と山本幡男の生き様、山本幡男を慕った男たちの友情の記録。

感想

第2次世界大戦の後、日本人がシベリアの収容所に抑留されていた…って事は知識として知ってはいたものの恥ずかしながら詳しい事はまったく知らなかった。

『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』はシベリア抑留者達の実情を知る記録としても素晴らしいし「男の友情物語」としてもグッとくる。そして何より山本幡男と言う人の生き様に感動した。

まず「凄い!」と思ったのが、帰国した男達が山本幡男の遺書を遺族に届けた方法。ソ連はラーゲリでの記録を残すことを許しておらず、文書の持ち出しは認められなかった。「山本幡男の遺書を遺族に届けたい」と志を同じくした有志達は「遺書を暗記して伝える」と言う方法を取っている。

人の記憶は当てにならない…と言うことも考慮して複数の人間が同じ文章を覚えて「無事に帰国したら遺族に遺書を届ける」と言うことになっていたらしく、無事に帰国した男たちが次々と山本幡男の遺族の元を訪れたとのこと。

遺書を託された人の中には紙に書き写したものをそれと分からないよう偽装して日本に持ち帰った人もいたのだけど、それはソ連にバレると自分の身が危うい行為。死んでいった友とその遺族のために、そこまで出来るだなんて「凄い」としか言えない。

男たちの友情に感動したと同時に、収容所での彼らの生活の様子も描かれていて興味深いものがあった。自由を奪われて拘束される中での過酷な労働の日々。それでもなお楽しみを見つけ、希望を探して生きていく姿に感動した。

そして忘れてはいけないのが山本幡男が家族に残した遺書の内容。愛する妻子や母に対して書かれた遺書は涙無しに読むことができない。そして、厳しい抑留生活の中で病と戦いながらも、希望を捨てずに生き抜こうとする山本幡男の生き方は人生の大先輩として学ぶべきところが多い。

『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』はあまりにも良かったポイントが多かったのと、情報量が膨大なので上手に感想をまとめることが出来ないのが残念なのだけど、とにかく凄い本だった。そしてこれからも日本人に長く読み継がれる本であって欲しいな…と心から思った。

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