久しぶりに壁本を読んでしまった。「壁本」とは 読後に壁に叩きつけたくなるほど、どうしようもない本という意味の言葉。もしかしたらネットスラングなのかも知れない。
うっかり手に取ってしまった私も悪かった。だけど『ペンギンと暮らす』と言う題名を見て「ペンギンをペットとして飼っている人の話か、そうでけなればペンギンのいる地域で生活している人の話だ」と勘違いしてしまったのだ。
ペンギンとは作者、小川糸の夫のことだった。しかも夫はペンギンマニアとか、ペンギンの研究者って訳じゃなくてミュージシャンだった。
「どうしてペンギンなんだ?」と言う説明は省略するとして。
今回はもうどうしようもないほど嫌な作品だってので盛大にディスっていく所存。なので小川糸のファンだったり『ペンギンと暮らす』が好きな方はご遠慮ください。
ペンギンと暮らす
- 『食堂かたつむり』の著者が、小川糸が綴る日記エッセイ。
- 食べることがテーマになっている。
- ペンギンとは小川糸の夫のことで、作中にペンギンは登場しない。
感想
いやぁ…。私、この本を読んで小川糸が大嫌いになってしまった。
随分昔に読んだ『食堂かたつむり』は好きだったけれど、今読んだら感想変わっちゃうかも知れない。
私自身、食べることが大好きなので、食べる事がテーマになっている作品には点数が甘くなりがちだけど『ペンギンと暮らす』はホント無理。食べ物の話も多かったけど、それ以前に小川糸の人となりが無理だった。
だって小川糸ってば常識的に考えて、人として失礼過ぎるんだもの。
例えば…同じマンションで暮らす名前も知らない赤ん坊を「金太郎」と名付けて、実在の相撲取り(名前は伏せます)に似ている言っちゃう(書いちゃう)のって失礼にもほどがある。
我が子が「相撲取りに似てる」と言われて喜ぶ親がいるかよ?
まぁ…アレだ。100歩譲ってこれが小説の登場人物なら理解できる。だけど小川糸は実在の人物。しかも「相撲取りに似ている」と言われた子も実際にいる訳で「名誉を傷つけられた」と裁判沙汰になっても不思議じゃない案件。
よその子を相撲取り呼ばわりした意外にもビックリなエピソードは事欠かない。「毎日犬に喋りかけている女性」を見て「家族がもっと相手にしてあげれば良いのに」と謎の上から目線。
最初から最後まで悪い意味で驚きの連続だった!
あまりにもムカついたので「小川糸ってどんな人間なの?」と調べてみたところ、なんと私と同じ年。50年生きてきて(作品を書いたのは数年前かも知れないけれど)一般常識をここまで知らない人がいる衝撃ったらなかった。
そのくせ「アーミッシュの暮らしに憧れちゃう」とか書いちゃってるあたりは失笑ものだ。アーミッシュの生活を描いた『アーミッシュ もう一つのアメリカ』に書かれているようにアーミッシュの人(特に若者)の苦悩を知っていて、それでも「憧れちゃう」と言うのなら、分からなくもないけど。
最初から最後までムカついちゃうエッセイも珍しいよね!
あぁ…誰か…誰でもいいから『ペンギンと暮らす』を読んでくれないだろうか? 誰かと、この憤りを語り合いたくてたまらない。
2023年はスタートしたばかりだけど『ペンギンと暮らす』は私にとって2023年度最強の壁本になりそうな予感がしている。