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食堂かたつむり 小川糸 ポプラ社

ここのとこ、本のアタリが悪くてすっかり不貞腐れていたのだけれど久し振りの大当たり。大満足の読書が出来た。

料理をするのが好きな人にぜひ読んでもらいたい1冊。

料理をするのが好きじゃない人も是非。この作品には料理を作って誰かに食べてもらうことの幸せと、食べることの幸せが一杯詰まっている。

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食堂かたつむり

おいしくて、いとおしい。

同棲していた恋人にすべてを持ち去られ、恋と同時にあまりに多くのものを失った衝撃から、倫子はさらに声をも失う。

山あいのふるさとに戻った倫子は、小さな食堂を始める。それは、一日一組のお客様だけをもてなす、決まったメニューのない食堂だった。巻末に番外編を収録。

アマゾンより引用

感想

グルメの本…とと言う訳ではないけれど、作品に登場する料理はどれもこれも美味しそう。子供の頃『アルプスの少女ハイジ』のアニメを見て、おんじが作るヤギのチーズをのせたパンを食べたいと熱望した時と同じ感覚に見舞われてしまったほどだ。

主人公は恋人に逃げられたことがショックで声を失った女性。故郷に戻り、不仲だった母親に頭を下げて「かたつむり」という食堂をはじめる。

ご都合主義な展開と言うか、いささか童話めいた感があるのは否めないが、それほど反発は感じなかった。

たぶん、主人公が目一杯凹んでいたからだと思う。

恋人に逃げられると言っても「そりゃぁ気の毒に」と言わざるを得ないような状況で、最近の小説にありがちな「ちょっと恋に疲れちゃった私」とは違っていたのだ。

物語の途中は「ちょっと上手く話しが転がり過ぎじゃないかな?」と思うのだけど、ラストは文句無しに素晴らしかった。

主人公が世話をしていた豚のエピソードや主人公と母親が、母親が生きている間には分かりあえず、彼女の死後やっと通じた場面などは、かなりグッっときた。

そして母親の恋の形が私には胸キュンものだった。私は「一途にずっと同じ人を好きでいる」って設定に滅法弱い。

なんだか少女漫画ちっくな展開だったけれど、私はこういう話が読みたかったのだ。中途半端な恋愛なんていらない。生涯でただ一度の恋でがいい。

この作品の中には「おいしそう」な食べ物がたくさん登場するのだけれど、私がいっとう美味しそうに思えたのは、主人公の知人のおばあさんが作ったお弁当。

プロの作った物では無いし、たぶん普通のお弁当なのだけど「特定の人のために心を込めて作った料理」はどんな高級料理をも凌駕する。

料理する幸せと、それを食べてくれる人がいる幸せを感じさせてくれる1冊だった。

好きな人に自分の作った料理を食べてもらう……これは至上の喜びだと思う。2008年度の読書の中でベスト3に入るほどグッっときた1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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