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地域の小学校と支援級と特別支援学校。

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私のパート先である医療型児童発達支援センターの保育部門は未就学児が通う設定なので就学前の3月には卒園式があり、お子さん達はそれぞれの進路に旅立っていく。

身体や知的に障害を持っていたり、あるいは発達障害だったりする場合の進路は色々ある。

  • 特別支援学校
  • 地域の小学校の支援級
  • 地域の小学校の普通学級

お子さんの状態によってベストな進路は違うので、ひとくくりにして語ることは出ないのだけど言い方は悪いけれど知的なり身体なりの障害が重くて事情を知らない人がパッと見で「あ…この子は障がい児なんだな」と分かるお子さんの場合、ほとんど迷うことなく特別支援学校に進学される。

だけど、比較的障害が軽めの場合、保護者は相当迷うことになる。

「出来ることなら普通の子と一緒に学んで欲しい」と言う保護者の願いから地域の小学校の支援級なり普通学級なりを選択するパターンがあるけれど、保育士目線からすると不安でしかない。

医療型児童発達支援センターの場合、様々な障害の度合いのお子さんが一緒に過ごしているため、比較的障害が軽度の場合、重い障害を持つお子さんと我が子を較べてしまうせいか、保護者から見た時に「この子は普通にやっていけるのでは?」って錯覚に陥りがちな印象がある。

だけど実際は定型発達のお子さんと較べると全然追いついていなかったりするし、それどころか地域の小学校…まして普通学級に入っちゃっても担任の先生が持て余してしまうだろうとしか思えないケースが多々ある。

例えば…だけど医療型児童発達支援センターに通っているお子さん達は排泄の自立が出来ていなかったりする。

医療型児童発達支援センターではオムツを使ってる子の方が多いので「6歳でオムツをはいている」って状況は「当たり前」として受け入れられているけれど、地域の小学校では難しいよね…とか。

小学生って残酷なので、おしっこやうんちの失敗はイジメの対象になる可能性が高い。おしっこの失敗はまだマシかも知れないけれど、うんちの失敗は匂いが伴うので隠しようがない。

あと3ヶ月で卒園されるお子さんの未来を考えると心配でたまらないけれど、私達にはどうすることもできない。「3月までに排泄が自立できるように」と支援しているものの、たぶん間に合わないだろう。

放課後等デイサービスで働いていた時、発達障害で地域の小学校の普通級に入ったお子さんがクラスで馴染めず支援級に通級することになり、不登校を経て放課後等デイサービスを利用するようになった姿を見てきただけに、3月に卒園されるお子さんの未来が不安でしかない。

ちなみに放課後等デイサービスで関わったお子さんの場合。普通級から支援級。不登校を経て中学校に上がる段階で支援学校に入学している。

「このお子さんの場合、地域の小学校では無理なのでは?」と思っていても、最終的に進路を決めるのは保護者なので私達にはどうすることも出来ない。

国連はインクルーシブ教育(障害のある子どもと障害のない子どもが同じ場で学ぶ)を勧めているけれど、日本はまだその段階に到達していない。この春、卒園されるお子さんが哀しい思いをしないよう、全力で支援させて戴くけれど、彼らの未来を考えると心配しかない。

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