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ロストデイズ 大崎善生 祥伝社

大崎善生は好きな作家さんなのだけど、今回はあまり楽しむことが出来なかった。

もし、私が独身時代に読んでいたら、それなれら楽しめた気がするのけれど、結婚して子どもを持った今の私は主人公カップルの気持ちに添う事が出来なかった。

なんなんだろう…この稚拙さ。若者の描いた恋愛小説って感じだ。

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ロストデイズ

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三十半ばで娘を授かった西岡順一は、喜びとは裏腹に、母となった妻との新しい暮らしに不安を感じていた。二人にとって子供の誕生は人生の頂なのか?アルコールに逃げ込む順一だが、妻・由里子は静かに見守るだけだった。

そんなある日、娘の名付け親で大学時代の恩師の危篤の報が。二人は急遽、教授夫妻の住む南仏ニースへと向かうが―見失った絆を捜す至高の恋愛小説。

アマゾンより引用

感想

主人公は出版社に勤務する30代の男性。妻子アリ。妻とは学生時代からの付き合いなのだけど、妻が娘を産んだことをキッカケに2人の関係が崩れていく。

と同時に、主人公は編集部から営業部への移動を命じられてアルコールに溺れ……と言う「あるある」的な筋書きだった。

「妻が母になったと同時に夫婦関係が変わる」というテーマは悪くないと思う。

恐らくどの夫婦でも多かれ少なかれ感じるところがあると思う。が、いかんせん「お洒落系泣かせもの恋愛」とこのテーマは両立しない。

なんだかんだ言って大崎善生は好きなのだけど、今回の作品はイマイチだった。

筋書き的にはよくある話だし、そんな夫婦が立ち直っていく姿ってのも悪くはない。しかしテーマが「家族」となると泥臭さが必要だと思う。この作品にはそれが無い。

夫は家族を顧みないのに、魔の2歳児を抱えて完璧に家事育児をこなす妻とか、2歳児を預けて夫婦でフランス旅行とか。もし私がイヤイヤ期真っ盛りの2歳児を育てている最中にこの作品を読んでいたら、間違いなく本を壁にぶん投げていると思う。

残念ながら「夫婦の形」にも「家族の姿」にもリアリティがなさ過ぎる。スイーツ(笑)としか思えない設定だ。川端裕人とか佐川光晴あたりなら、上手く料理してくれるのではなかろうか。

とは言うものの主人公が駄目人間になっていく過程はよく描けていると思う。

女性視点から読むと「男性の思考って、どうしてこんなに面倒くさいんだろう」と思ってしまうのだけど私の周囲の男性陣を見渡すと納得できる部分があり「上手いなぁ」と感心してしまった。

残念なのは簡単に救済され過ぎたってこと。

残念ながら面白いとは思えない作品だったのだけど、大崎善生の描く「優しさ」はやっぱり好きだ。主人公が師事していた教授の言葉は素晴らしい。

「人を思いやるということ」
「それは何かひとつのことでも、毎日、毎日書きとめておくということですね」
「どんな小さなことでもいいし、短くてもいいから言葉を書きとめ続ける。幼稚園の先生と母親の連絡帳のように」

希望の持てる明るいラストだし、主人公夫婦は幸せだと思うのだけど「恋人たちの自己満足」の域を出ていないように思った。

ひと言で言うなら「大人ではない」のだ。

大学生カップルなら素敵なのだけど30歳越えの子持ち夫妻となると「それはちょっと……」と思ってしまう。

なんだかんだ文句を言いつつも私は作者の作品が大好きなので次回作に期待したいと思う。

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白い木蓮の花の下で
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