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赦す人 大崎善生 新潮社

前回『ユーラシアの双子』を読んだ時「読むに耐えない。作者の作品から卒業するかも知れない」なんて事を思っていたのに、きちゃったよ…やっぱりやっぱりいいよ。

だから大崎善生は止められない。

私は小説に関して諦めが悪いと言うか、ストーカー気質と言うか、好きになった作家さんの作品が巷で「面白いよ」と評判になったら、やっぱり読まずにはいられない。でも、それが良かった。

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赦す人

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昭和六年生まれの鬼―その筆名とうらはらに、団鬼六の生涯は純粋さと赦しに貫かれていた。

伝説の真剣師と交わり、商品相場を追い、金を持ち逃げされ、妻の不倫に苦しみ、がん手術を拒否し、その全てから小説を産んだ。

「異端の文豪」団鬼六の出生から最期まで、波乱万丈の生涯を描ききる感涙の長編ノンフィクション。

アマゾンより引用

感想

この作品はSM作家として一世を風靡した団鬼六の伝記である。

大崎善生の伝記物は素晴らしい。客観的に書いているのに、主人公への愛情がシミジミと伝わってきてそこが良い。読んでいて「懐が深いなぁ…」と安心出来るのだ。

主人公である団鬼六は私も数作読んでいる。作風がアレなだけに好き嫌いが分かれると思うのだけれど、確に面白いのだなぁ。

そして、その私生活は作品と同じく破天荒て゛面白かった。ひと言で言ってしまえば「愛すべきロクデナシ」「傍迷惑で可愛いオッサン」ってことろだろうか。

作品の前半は少し地味過ぎる気がしたけれど、鬼六とたこ八郎のエピソードや、次々と失敗を重ねながら、それこそ鬼神のごとく作品を生み出していく過程は読んでいて胸が踊ってしまった。

そして、ラスト近く。震災後に屋形船を借り切って宴会を開くエピソードは感動的なものがあった。「私も頑張って生きていこう」と元気をもらったような気がする。

まったくもって私事なのだけど、団鬼六の生き様は死んだ父のそれと少し重なるところが多く、余計に面白く読めたような気がする。

愛すべきロクデナシ。ものすごく魅力的で人も沢山集まってくるのだけれど、一緒に暮らすのは遠慮したいと言うか。

私自身は父とは正反対の人をパートナーに選んだけれど、その類の人間と長く暮らした経験があるだけに、その魅力は身に染みて分かる。

この作品を読んだ事で団鬼六の作品を読み返したくなってしまった。彼の生涯を知った上で作品を読めば、また違った見方が出来るかも知れない。

そして。「もう、大崎善生にはついていけない」と思ったのを撤回したいと思う。新作が出たらまた手に取りたい。やっぱり、この作家さん好きだわ……と改めて感じさせられた1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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