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かなたの子 角田光代 文藝春秋

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角田光代は大好き…って訳でもないけれど、ちょい前に読んだ『拳の先』が予想外に刺さったので、図書館で目についた『かなたの子』を読んでみた。

『かなたの子』は『拳の先』とは全く違った方向性の本で残念ながら私はそこまで好きじゃなかった(嫌いでもない)のだけど、ホラーとか心霊物が好きな人なら楽しめると思う。

短編集なので季節物の小説ではないけれど、どうせ読むなら夏が良いかも。

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かなたの子

ザックリとこんな内容
  • 「ちょっと不思議で怖い話」を集めた8編からなる短編小説。
  • 小学生の夏に秘密を共有してしまった同級生達を描いた『同窓会』、とある村で即身仏になろうとする住職とその村人達の物語『おみちゆき』、中古の家に引っ越してきた夫婦が奇怪な出来事に遭遇する『闇の梯子(はしご)』など。
  • テレビドラマ『世にも奇妙な物語』と似た雰囲気。

感想

先に書いておくけれど「怖くてたまらない」レベルで怖い話は1つもない。年1くらいペースで放送されている『世にも奇妙な物語』に登場しそうな話…って感じ。

ちょっと怖いな…と思ったのは小学生グループの「ひと夏の経験」が悲劇へと繋がってしまった『同窓会』。「誰だってやってしまいそうな過ち」であることの恐ろしさを上手く描いていたと思う。日常生活に潜んでいる落とし穴と言うか。彼らの取った行動は愚かだったけれど「自分はあんなこと絶対にしない」と胸を張って言える人間がどれくらいいるのか…って話だ。

ホラー小説と言うのはどうしても「死」がテーマになりがちなのだけど、作者の角田光代は女性作家…こともあって出産とか子どもがテーマになっている作品がいくつか収録されていて、こちらの方面については私も女性だけどイマイチ共感できなかった。なんかこう…コレジャナイ感が凄かった。

8つの作品の中で1番気に入ったのは『おみちゆき』。即身仏になろうとする僧侶と、それを見守る村人の話なのだけど、昔話的なものではなくて現代設定(たぶん昭和)ってところが良かった。即身仏云々なんて、もちろん法的に色々アウトな話だけど、昭和の…しかも田舎だったらあったかも知れないな…と思わせてくれたところが良かった。

実際、私が子どもの頃の田舎って「それってどうなの?」みたいな事が実際にあったりするのだもの。今にして思えば昭和って今より闇が濃かった気がする。夜店に見世物小屋とかあったものなぁ…とか、懐かしく色々なことを思い出してしまった。

短編小説でサクッと読めるのでホラーとか心霊が好きな人は手に取ってみても良いんじゃないかな…と思った。

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