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職業としての小説家 村上春樹 新潮文庫

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お久しぶりの村上春樹。またまたアマゾンオーディブルの朗読を聞いた。

村上春樹のファンなら是非とも手に取って戴きたい1冊。絶対に面白いと思う。私は村上春樹のことが好きでも嫌いでもなかったけれど、かなり楽しめた!

村上春樹については色々と「これって、どうなんだろう?」って思いながら読むことも多かったのだけど、この作品を読むことで「なるほど…そういう事だったのか」と納得できる部分が多くて、読んで良かったと思っている。

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職業としての小説家

ザックリとこんな内容
  • 作者、村上春樹が小説家としてどんな風に生きてきたかについて書いたエッセイ。
  • 作家デビューから現在までの軌跡、長編小説の書き方や文章を書き続ける姿勢などを。
  • 具体例とエピソードを交えつつ「文学賞についてオリジナリティーとは何か」「学校について」「海外で翻訳されること」「河合隼雄氏との出会い」など。
  • 村上春樹、丸ごとファンブック的な1冊。

感想

『職業としての小説家』めちゃくちゃ面白かった!

世の中は「お金稼いだ者が勝ち」だし、小説家は「売れる本書いた者が勝ち」なのだと思った。自分の好きな事を歯に衣着せず、好き勝手何でも書けるだなんて、村上春樹じゃないと出来ないと思う。

とりあえず『職業としての小説家』を読んで1番心に刻まれたのは「村上春樹は日本の文壇が大嫌いだし、自分のことを酷評していた人達を一生恨んでる」ってこと。

何度と無く「自分には関係ないことなので」「自分には興味のないことなので」「そういうことは気にしないようにしているので」と何度も繰り返しているけれど、行間から恨みが滲み出ていて面白かった。まぁ、そりゃあ自分に悪意を向けてくる人を好きなれる訳がないよね…って思う。

それにしても「お前らのこと大嫌いだし、お前らのしたこと忘れてねぇし、絶対に許さないからね」と大人げなく堂々と書けるのは素晴らしいことだなぁ。やっぱり頂点に立ったら好きなこと何でもやっちゃって良いのだと改めて思った。

村上春樹が好き勝手に書いてて面白い…って話はそれとして。私が自分自身のためになったのは「村上春樹の小説の方向性」が少し理解出来た…ってこと。

独特の文体は彼自身が試行錯誤して、考え抜いて作り出したスタイルだった…って話とか、題名にもなっている「職業として小説家をしている」って事についての心構えとか、彼の理想としている小説の形とかが少しだけ理解できたのは良かった。もちろん、この1冊を読んだから全てが分かった…って訳じゃなくて、あくまでも「少しだけ理解できた」ってレベルのことだけど。

色々なテーマがあったけれど、教育についの考え方については「素人は黙っとれ」みたいな気持ちになってしまった。村上春樹の理想のする教育体制で学校を運営したら、日本の社会は今よりもっと大変なことになってしまうだろう。

感心したのは「自分の作品が海外で翻訳されること」について書いたくだり。海外に目を向ける…ってことは文学だけの話ではなくて、他のジャンルでも必要だと思うし、村上春樹がしてきた事は立派だなぁ…と素直に思った。

エッセイ形式になっている上に、テーマがいくつかあるので気楽に読むことができると思う。村上春樹のファンじゃなくても、村上春樹の小説を何冊か読んだことのある人なら楽しむことのできる1冊だと思う。

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