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昭和の女は宝石がお好き。

朝刊の折込チラシに「貴金属・ブランドバッグ買い取り」のチラシが入っていた。

私はガッツリ氷河期世代でバブルが弾けちゃった後に社会人になったのでブランドバッグなんて持ってない。そして、貴金属もブランドバッグも、そもそも興味がない。

同世代のOLさん達の間ではCOACHのバッグとか流行っていた記憶があるけれど、当時の私はCOACHのバッグを買うくらいなら、芝居を観に行くか薄い本(同人誌)を作るのにお金を使いたい派だった。

宝石にしても同じ。お洒落をするのは嫌いじゃなかったけれど1万円以下のアクセサリーで充分だと思っている。冠婚葬祭用のパールのセットと夫がプレゼントしてくれたダイヤの指輪は大事にしているけれど、それ以外の物は「無くしても平気」くらいの物しか手元にない。

世の中には貴金属やブランドバッグが好きな人がいるのは知っているけれど我が家には「貴金属・ブランドバッグ買い取り」で売れるような物は何一つ無い。

夫と「これって誰が利用するんだろうね?うちには関係なさ過ぎるよね」なんて笑っていたけれど、たまたまその日、実家を定期訪問したところ実母が押入れから御大層な様子で何やら出してきた。

「これ、あんたに預けとく。あんた使いなさい」と。

それは母が買い集めた貴金属だった。

昭和風に大きな石のついた指輪だったり、ネックレスだったり色々と。実家は父が商売をしていて、会社が潰れるまでは結構な暮らしをしていたし、会社が潰れてからも母はコツコツ貴金属を買い集めていた。

貴金属とかブランドバッグって大金持ちの奥様が持っているものだと思い込んでいたけれど、昭和の女は意外と持っているのかも知れない。

黙って受け取って売り飛ばしてやろうかとも思ったけれど「いやいや。私は宝石なんて興味ないし使わないよ?お母さんは自分が思い入れのある物を誰かに使って欲しいんだろうけど、私に宝石は必要ないよ」と断った。

すると実母は「じゃあ孫娘にあげる。あんたはお洒落に興味ないだろうけど、あの子は欲しがるかも知れないから」と言う。

……令和の女が昔風の立爪リングとか欲しがる?

娘だって祖母から貴金属をどっさり渡されても困惑すると思う。実際、私も祖母から「これは白蓮ちゃんにあげる」と翡翠の指輪をもらったけれど使いようがなくて困惑した覚えがある。(ちなみに翡翠の指輪は偽物だった)

「あのね。気持ちは分かるけれど、娘世代が欲しがらないものを孫が欲しがることはないよ。あの子はあの子の好きな物を自分で選んで買った方がいいんだよ。どうしても…って言うなら預かるけれど、申し訳ないけと最終的には売ることになるよ」と言わせてもらった。

実母は「あんたが売ってきたらいい。お金はあんたにあげる」と言うのだけど、それも丁寧に断らせてもらった。結局、実母が出してきた貴金属は「実母が亡くなった後は同居している弟が換金する」って事で話がまとまった。

実母のことについては私も色々やっているけど、実母と毎日一緒に暮らしているのは弟なのだ。実母の預貯金や財産は1つ屋根の下で暮らしている弟がもらうべきだと思っている。もし弟が「姉にも分配する」って言うなら、その時は遠慮なく戴くけれど。

新聞の折込チラシを見て「うちには関係ないチラシだね」と笑ったその日に実母から貴金属を渡されそうになるなんて、ちょっと面白い巡り合わせだな…と思った。

……それはそれとして。母が手持ちの貴金属を悪徳業者に買い取りさせちゃうタイプの人で良かった。我が家の近隣では買い取り系のトラブルがちょくちょく聞かれて「押し買い」なども他人事ではない。みなさま本当にお気をつけて。

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白い木蓮の花の下で
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