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翼の翼 朝比奈あすか 光文社

『翼の翼』は中学受験をテーマにした作品と聞いたので手に取ってみた。

我が家は中学受験をしなかったので、中学受験なんて私にとって関係ない世界だけど、中学受験を描いた漫画『二月の勝者』を読んで、中学受験に興味を持ったので読んでみようかな…と。

中学受験を経験した人なら、そこそこ楽しめるのではないかと思うのだけど、実のところ私はイマイチ楽しむことができなかった。

今回は否定的な感想になるので朝比奈あすかが大好きな人は読まない方が良いかもです。

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翼の翼

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ザックリとこんな内容
  • 主人公の有泉円佳は専業主婦。息子の翼は、小学二年生。
  • 翼はテレビCMに影響されて、興味本位で進学塾の全国テストを受け、中学受験に挑戦することになる。
  • 最大手の進学塾「エイチ」に入った翼は男子四天王といわれる難関校を狙う。
  • 中高一貫校を受験した経験のある夫真治と、それを導いた義父母。円佳だけが中学受験知識ゼロの状態でのスタートだった。
  • 円佳は塾や周囲に振り回されて自分自身を見失っていく……

感想

作品の感想を一言で書くと「主人公の円佳が馬鹿過ぎてムカついた」って事に尽きる。

私自身が主人公の円佳と同じポジジョンなので、彼女の状況は分からなくもないけれど円佳は母親として浅はか過ぎだと思う。

実は翼が受験した進学塾の全国テストは娘も小学生の時に受験したことがある。そして成績も翼と似たり寄ったりだった。

なので円佳の気持ちは分からなくもないし、塾のセールストークも「そりゃそうだ」とは思ったけれど、それそにスルッと乗っかっていくあたり、惣流アスカラングレーくらいの勢いで「あんたバカァ?」と言いたい。

子の幸せを思ってするなら、ちゃんとやれ。インターネットとスマホのある時代に「知りませんでした」という親はただのバカだと思う。「あなたが手に持っている板はカマボコ板なの?それともLINEとかインスタの専用機なの?」と聞きたい。

塾に入ってからの展開も酷い。

「中学受験あるある」なのだと思うのだけど、一事が万事ムカついた。

そして、その「中学受験あるある」についてもTwitterだのweb記事の寄せ集め的な内容で、わざわざ紙ベースで読むほどでもないな…と言う印象。

作者である朝比奈あすか自身、子どもの中学受験を経験しているとのこと。なので。たぶんリアル感はあったと思うのだけど、私には受け付けられなかった。

そして1番ムカついたのはラストを安直なハッピーエンドにまとめてしまった…ってこと。

これは朝比奈あすかの1番悪い癖だと思う。綺麗にまとめている風だけど、色々と浅いと言うか安置なのだ。あれだけの流れを作っておいて、あのラストはないだろうと思ってしまった。

漫画『二月の勝者』の名台詞で「中学受験は父親の経済力と母親の狂気」ってのがあるけれど『翼の翼』は母親の狂気を描いた作品…と言えばそうなのかも知れない。だけど、中学受験に向かう親の狂気を書くならトコトン狂って欲しかったし、いい人要素とか中途半端なハッピーエンド必要ないと思う。

『翼の翼』は朝比奈あすかの作品の中では世間的には高評価を得たようだけど、私にとって残念な1冊だった。

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