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高齢者のコミュニティ。

先日、実家に様子を見に行った時、実母が唐突に「ユニクロのベストが温かいらしいから私も欲しい」と言い出した。

パートが休みの日は実家に顔を出して、なんだかんだと実母の用事をするのだけれど、その日も事前に電話で連絡して実母から頼まれた買い物を済ませてきたところだった。ちなみにユニクロは実母が買い物を頼んだ店舗の隣にある。

「いやいや。私、さっきユニクロの横を通り過ぎてきたところですよ?欲しいなら、どうして電話した時に言わないの?」と反論したものの、実母はムスっと気に入らない様子。

実母にしても義母にしても、歳を重ねる毎に我慢が効かなくなっていて「欲しい」と思ったら今すぐ欲しいし「食べたい」と思ったら食べずにはいられないらしい。

実母の表情から「これは自分が折れるしかないな」と覚悟して「ところで、どうしてユニクロのベストが欲しくなくったの?」と聞いてみた。実母はどちらかと言うと、天然素材信者でユニクロを信頼していない節があるだけに、ちょっと不思議に思ったのだ。

「デイの人達がユニクロのベストは軽くて温かいって言ってたのよ。デイの人達は、みんなユニクロのベスト持ってるって!」

「みんなが持ってるから自分も欲しいとか小学生かよ!」と心の中でツッコミながらも、実母が他人とのコミュニケーションの中で生きていることを嬉しく思った。

……そんな訳で、急ぎユニクロに行ってダウンベストを買ってきた。実母は「次のデイの時に着ていく」とたいそうご満悦だった。

高齢者には高齢者なりのコミュニティがあって、その中でコミュニケーションを楽しんでいるのだなぁ。「みんなと同じ物が欲しい」だなんて、デイに行くまでの実母には無かった心の動きだ。

実母はデイサービスを利用するようになって良い方向に変わったし、精神的なところが安定するようになった。ケアマネジャーさんやデイサービスのスタッフさんには足を向けて眠れないほど感謝している。

本当は義母にもデイサービスを利用して欲しいのだけどなぁ。こちらは難攻不落でいまだ牙城を落とせていない。

何にせよユニクロのダウンベスト1枚で実母がご機嫌に過ごしてくれるのはありがたいことだ。願わくば、このまま機嫌良く冬を越して戴きたい。

 

 

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日記
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白い木蓮の花の下で
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