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猫と庄造と二人のおんな 谷崎潤一郎 新潮文庫

多忙で図書館に行けなかった時期があり、読む物が無くなってしまったので本棚から引っ張り出して来て再読してみた。

もともと谷崎潤一郎の小説は好きだったのだけど「こんなに面白かったっけ?」と目を丸くしてしまった。

特にこの作品は、以前に読んだときは「いまいちパッっとしないなぁ」と思っただけに「面白さ再発見」という読書が出来た。

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猫と庄造と二人のおんな

一匹の猫を中心に、猫を溺愛している愚昧な男、猫に嫉妬し、追い出そうとする女、男への未練から猫を引取って男の心をつなぎとめようとする女の、三者三様の痴態を描く。

人間の心に宿る“隷属”への希求を反時代的なヴィジョンとして語り続けた著者が、この作品では、その“隷属”が拒否され、人間が猫のために破滅してゆく姿をのびのびと捉え、ほとんど諷刺画に仕立て上げている。

アマゾンより引用

感想

「谷崎潤一郎の書く関西弁って、これほどまでねっとりしていたっけか?」と言うのが第一印象。いちいち粘っこい。

私は関西(大阪)に住んでいるのだけれど、今はこんなに粘っこい関西弁を使う人はいない。本の中にだけ存在する関西弁は、関西人の私が読んでもどこか異国の言葉のように思えた。

私は犬と猫のどっちが好きかと聞かれたら、断然犬派なのだけど、この作品を読んでいると「猫って可愛い」と思わずにはいられなかった。

谷崎文学と言えば「女性のエロス」だと思うのだけど、この作品に限っては女性ではなく「猫」がその役割を一手に引き受けている。

題名の通りに「猫・庄造・二人のおんな」の順に隷属関係が構成されていて、頂点が「猫」というところが面白いなぁ…と思った。

しかし結局のところ『痴人の愛』にしても『春琴抄』にしてもテーマは同じなのだと思うと、隷属関係を描写していくこの形こそが谷崎文学の真骨頂のような気もした。

作品を読みながら「どうして今までこの作品が面白くなかったのだろう?」ということを考えた。

はじめてこの作品を読んだ時、私はまだ20代のはじめだった。恋愛ってものがまだまだ分かっていなかったし、その上性的なことは随分と奥手だった。

恋を知り、結婚して人の妻となった今はあの頃とは物の見方も違えば考え方も違っている。谷崎文学は、どちらかと言うと大人の文学なのだと思う。

若者が読む物では無い…とまでは言わないけれど、谷崎文学の良さを満喫するには「おじさん」あるいは「おばさん」になる必要があるように思う。

思っていた以上に面白かったので、また別の谷崎小説を再読してみようと思う。

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白い木蓮の花の下で
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