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魯肉飯のさえずり 温又柔 中央公論新社

温又柔は初挑戦の作家さん。台湾で生まれ、国籍は台湾だけど3歳から日本で暮らしていて、作家として日本で活動されているとこのと。

Twitter界隈で話題になっていたので借りてみた。

私は台湾の事は深く知らないのだけど、作者と同じように台湾で生まれて日本で育った人と仕事をしたことがあるので、ちょっとだけ登場人物の状況は分かる気がする。

だけど、その事と内容が好みだったか…って事は別次元の話。

話題作だし評判は良さそうだけど、好みではなかったので今回は非常に辛口な感想です。

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魯肉飯のさえずり

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中央公論新社
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ザックリとこんな内容
  • 桃嘉は日本人の父と台湾人の母との間に生まれたハーフ。台湾人である母とは幼い頃からギクシャクした関係を続け行きた。
  • 就活に失敗した桃嘉は逃げるように結婚を選ぶ。
  • 自分の両親、相手の両親ともに祝福されて結婚生活にはいるが、夫との生活の間にすれ違いを感じるようになる。

感想

申し訳ないけど私は主人公である桃嘉のことが全く好きになれなかったし、一ミリも共感出来なかった。これはこの小説の出来がどうの…って以前の問題で、性格的に合わなかったのだと思う。

『魯肉飯のさえずり』は「ママがずっとわたしの恥部だった」と、キャッチャーなコピーを付けて売り出されている。「なるほど…毒親ものか」と思っていたけれど、読んでみると毒親物ではなくて、単純にハーフの苦悩を描いた作品だった。

主人公の桃嘉は幼い頃から台湾人の母のことが好きになれず、就活に失敗したことも「母親が台湾人でなければ…」みたいなことを思っている。なんて気の毒な設定…と言いたいところだけど、氷河期突入第一世代で就活失敗経験の私からすると「はぁぁぁ?何甘えてる訳?」としか思えなかった。

日本人と台湾人のハーフであることが就活に影響したことは否定しないし、就活のハンデになったことは想像出来るものの、桃嘉のような性格では社会人として暮らしていくのは難しい。

桃嘉はエリート君と結婚して、専業主婦になるのだけれど夫の義父母も好きになれず、夫とも上手くいかず、自分のことは棚に上げてずっとウジウジしているのだ。それって、ぶっちゃけ台湾人とのハーフ云々以前の問題で、日本人女性にも一定数いる「面倒臭いタイプの女性」でしかない。

最終的に桃嘉は自分探し(笑)に成功して、いっぱしの女性として成長していくのだけど、どうにも私は彼女のことが好きになれなかったし応援したいとも思えなかった。

思うに…テーマがブレているのだと思う。

  • 独立性とか依存性の高い女性の成長が書きたかったのか?
  • 母娘の葛藤が書きたかったのか?
  • 日本人と台湾とのハーフの苦悩がかきた?
  • 毒親テーマの物語が書きたかったのか?

欲張りなテーマを回収出来る作家がいることも事実だけれど、温又柔の筆力ではそこまで描くことは出来なかったのだと思う。どれもこれもが中途半端な印象で雰囲気の小説になってしまってるい。

小説としては全く楽しむことが出来なかったたけれど、桃嘉の母が作る魯肉飯(中国語読みだとルーローハン)がとんでもなく美味しそうだったので、まだ1ドミ食べたことのない魯肉飯を私も作ってみたいと思った。

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白い木蓮の花の下で
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