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ライン 村上龍 幻冬舎文庫

終わりの見えない螺旋階段を降りていくような錯覚に陥ってしまった1冊である。

1つの「ライン」に20人の人間の人生が連ねていく……という短編小説を1つの小説にまとめたような形式で書かれていた。

SMだの、精神世界だの、村上龍が得意としているだろう分野が凝縮されていて、村上龍のファンなら、かなり楽しめるのではないかと思う。

読者を物語に引きずり込むだけのパワーがあり、文章も綺麗にまとまっていた。

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ライン

受話器のコードを見るだけで、ライン上で交わされる会話が聞こえる女がいるという。

半殺しにされたSM嬢、男の暴力から逃れられない看護婦、IQ170のウエイター、恋人を殺したキャリアウーマン。

男女の性とプライドとトラウマが、次々に現代日本の光と闇に溶けていく。圧倒的な筆力で現在のコミュニケーションを描いたベストセラー。

アマゾンより引用

感想

しかし私は、ちょっと遠慮したいタイプの作品だった。

「虚無」とか「破滅」とか「破壊」とかの色が、あまりにも濃過ぎて面白いとか、面白くないとかいうレベルではなく身体がまるごと作品を拒否してしまった……という感じだった。

村上龍が嫌いという訳ではないのだ。彼の考えには賛同できる部分も多いし、エッセイなどは好きだったりする。

なのに彼の小説を読むと「どうして、こんな不愉快な事ばかり書くのだろう?」と思ってしまうし、読後はたいてい気分が悪くなるのだ。

同じようなテーマを扱っている作家さんは他にもいるし個人的に、そのテのテーマは好きなジャンルなのだが、どうしても村上龍の作品だけ、好きになれない。

それだけ、村上龍はメッセージをアピールする力が強いのだろうと思う。作品の素晴らしさを理解するのと、作品を好きになるのは違う次元の問題のようだ。

ちなみに、この作品ではSMにドラッグに殺人にと「それって、ちょっとヤバいよね」ってなことが「これでもか」というほど連なっていて、なにやら胸焼けしてしまいそうだった。

色々なものを、ごった煮にすることで1つの大きな世界を作ったのだと思うが1つのテーマを掘り下げていった方が良かったのではないかと思ったりした。

それでも、バラバラの物語を1本のラインに乗せきってしまったのは村上龍の筆が長けていたからだろうと思う。

インパクトはあったが、しばらく、このテーマは遠慮したいなぁ……と思った、ド派手な色合いの作品だった。

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白い木蓮の花の下で
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