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余命一年、男をかう 吉川トリコ 講談社

扇情的な題名に惹かれて図書館で借りてきた。正直「挑発的なテーマの話って、だいたい出落ちで終わるんだよねぇ」くらいの気持ちで読んだのだけど、予想外に面白かった。読みやすい文章でサクサク進むコメディタッチの作品で一気読み。

なんだかんだ言って女性に都合の良い系の物語なのだけど、たまにはこの類の軽い読み物も楽しくて良い。

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余命一年、男をかう

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ザックリとこんな内容
  • 主人公片倉唯、40歳は幼い頃からお金を貯めるのが趣味の独身OL。20歳の時に購入したマンションで1人暮らしをしている。
  • ある日、ただで受けられるからと受けたがん検診で、かなり進行した子宮がんを宣告される。
  • 医師は早めに手術するよう進められるが唯は手術せず、余命はスキンことをして暮らそうと決意する。
  • そんな唯の目の前に髪をピンク頭に染めたどこからどうみてもホストである男が現れ、突然話しかけてきた。「あのさ、おねーさん、いきなりで悪いんだけど、お金持ってない?」

感想

物語の内容は題名そのままなので特に説明はいらない気がする。「癌を宣告されたパッとしないOLがイケメンのホストをお金で買う」って話。そしてある意味シンデレラストーリーでもあるのでリアリティを求める人が読むと「無いわぁ~」って気持ちになると思う。

だけど長く「会社」と言う組織で働き続けている女性なら多少なりとも主人公の気持ちに添える部分があると思う。男女平等とか言ったところで日本はまだまだ女性が社会に出て働き続けるのは難しい。

一緒に入社した男性の給与は自分を追い越していくし「独身でいる」ってだけで「可愛そうな人」みたいな目で見られたりする。私自身、結婚が遅かったのでヒロインの感じている理不尽さは散々味わってきた。

そんな生活からの余命宣告&イケメンホストと過ごす日々。

「これをメイクドラマと言わずして何がメイクドラマだよ?」って話。漫画チックで「無いわぁ~」な物語だけど、人間描写が的確だってのに素直な気持ちで読めてしまった。

私が特に気に入ったのはヒロインと同僚女性の関係性。

同僚女性は既婚者で子どももいて「推し」に惜しみなく貢ぐタイプの女性。ヒロインとは正反対の生き方をしているのだけど、決してヒロインを否定しないところが素晴らしかった。

「真面目なOLの財産をホストが騙し取ろうとしている」と言う話が出た時に言った言葉が最高だった。

「一人の男に入れ込んで課金しまくるなんて女の夢じゃないですか。それだけ狂わせてくれる男に出会えたなんて、むしろ果報者ですよ。他人からどう見えようと、こればっかりは本人にしかわからないことですからね」

この言葉、しびれる。特に「他人からどう見えようと、こればっかりは本人にしかわからない」ってところが最高過ぎた。ホントそれ。ホントそれだわ。人の幸せなんて他人化からどうのこうの言われるような問題じゃない。

……なんかスカッとした。

主人公とホストがどうなっていくのかが気になる方は作品を読んで確かめて戴きたい。ちょっとご都合主義的な話ではあるけれど『余命一年、男をかう』に出てくる登場人物達は「自分の周囲で見たことのある誰かと似ている人」が多いので、色々な視点から読めるのではないかな…と思う。

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白い木蓮の花の下で
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