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櫻守 水上勉 新潮文庫

桜を愛し、守り育てることに情熱を傾けた庭師の生涯を描いた表題作の『櫻守』と、孤高の宮大工を描いた『凩』の2作品が収録されていた。

どちらも私の大好きな「職人」が主人公なので、ワクワクとページをめくったのだが、イマイチ物語に浸ることが出来なかった。

丁寧にと作られた小説だったのだが……いかんせん渋すぎた。

こういう小説を味わいつくせないのは、私のお尻もまだまだ青いということだろうか。

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櫻守

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丹波の山奥に大工の倅として生れ、若くして京の植木屋に奉公、以来、四十八歳でその生涯を終えるまで、ひたむきに桜を愛し、桜を守り育てることに情熱を傾けつくした庭師弥吉。

その真情と面目を、滅びゆく自然への深い哀惜の念とともに、なつかしく美しい言葉で綴り上げた感動の名作『櫻守』。

他に、木造建築の伝統を守って誇り高く生きる老宮大工を描いた長編『凩』を併せ収める。

アマゾンより引用

感想

表題作の『櫻守』は、主人公の青春時代から新婚生活あたりまではかなり面白かったのだが、家族が登場するようになってからは、とたんにツマラナクなってしまったように思う。

『凩』にいたっては、主人公と娘の関係、あるいは夭折した長男との関係がちゃんと描ききれていなかったような気がする。

中途半端に家族の話を入れるなら、もっとストイックに職人を描いて欲しかった。

しかし、この中途半端な家庭生活というのは、別の見方をするとリアリティがあるとも言えるだろう。

仕事は一生懸命だし、家庭もそこそこ愛しているが、家庭のことは100パーセント妻に任せていて、積極的に家族を愛そうという気もなく……と言うような。

主人公は、もしかすると仕事に関しては能動的だが家庭生活に対しては受動的な日本男児の鏡なのかも知れない。

2作品とも「新しい物と、古い物の対立」が出てくるのだが、この辺はかなりチンケな気がした。

古いものを守り通したいという主人公の情熱がイマイチ伝わってこなかったのだ。天才ではなく、あくまでも「一職人」というところがネックだったように思う。

「一職人」にしては屁理屈が多過ぎるし、語り過ぎるところに萎えてしまった。私は個人的に無口な職人が好きなのだ。情熱は背中で語って欲しかった。

せめて第三者視点で見た解説(語り)なら納得できたのだけど。

丁寧に書かれた作品だという事は理解出来るし、素晴らしい作品なのも分かるのだけど、残念ながら私の好みからはズレていた。

櫻守の話なので、桜の時期に読むのは良いかも知れないが、他に取り立てて胸にくる部分は無かったなぁ……という1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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