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一日暮し 水上勉 角川書店

読書に限ったことではないが、どんなことにも「時期」はあると思う。

この本とは少し出会うのが早過ぎたようだ。本当の意味で「老いの文学」を味わおうと思ったら、私の場合は、あと20年くらい生きてからしか無理ではないかと思われる。

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一日暮し

心筋梗塞で倒れ、死の淵をさまよった著者が辿りついた江戸時代の禅僧、正受老人の教え。「一日だけよく生きる」と考えれば、人間はどれほど重荷から解放されることか。

「一日だけ」と思えばどんな苦難にも耐えられるだろうし、楽しいといって溺れてもいられない。まして、命やモノにしがみつくのは愚かなことだ。命はあしたで終わりかもしれないのだ。モノがどれほどあっても、心の豊かさとは関係ない。この思想の根源は、中国の禅僧、天祖慧能の「本来無一物」にある。

慧能の行跡と、大きな影響を受けた日本の高僧たちの営為を探り、現代人の生き方に警鐘を鳴らす貴重な一書。

アマゾンより引用

感想

大病を患った作者が「あと何年生きる」という考えではなくて「今日1日を生きる」という考えに切り替えて、就寝前は「おやすみなさい」ではなく「さようなら」と挨拶をする生活から書かれた随筆集だった。

禅師の言葉などを引用しつつ「生きる」ことについてのあれこれを、丁寧な文章で書かれてあり、妙齢の方が読めば「とても良かった」と感じられるのではないかなぁ……と言う気がした。

しかし、正直なところ、まだ私の年齢では「1日生きられてありがとう」という謙虚な気持ちは持てないのだ。

毎日が、いっぱいいっぱいで、追いかけたり、追われたり。当然ながら不平不満も多ければ、恨みつらみも抱えている。なので、なかなか「ありがたい」という言葉をお腹の底から言えなかったりする。

もちろん、感謝の心が大切なのも分かっているし、謙虚さも必要だってことは知っている。

だが、頭で分かっているのと、心で感じるのでは重みが違うと言うか、次元が違うと言うか。もう少し年を取ってから、顔を洗って出直したいと思う。

作者の村上勉は、つい先日逝去されたらしい。心からご冥福をお祈りしたい。

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白い木蓮の花の下で
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