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月魚 三浦しをん 角川書店

なかなか面白くて、良い作品だった。

私自身が本好きなだけに、古書店が舞台になっているだけでも買いなのだが、しかし微妙に感想が書きづらい小説でもあった。

読後の第一声は「これってボーイズラブ小説なの?」だった。

オタクであり、かつ読書人でもある私にとっては複雑な気分だったのだ。

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月魚

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古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で同じ業界に身を置く瀬名垣。二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきた―。

瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、幼い二人は兄弟のように育ったのだ。

しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は大きく変っていき…。

透明な硝子の文体に包まれた濃密な感情。月光の中で一瞬魅せる、魚の跳躍のようなきらめきを映し出した物語。

アマゾンより引用

感想

「ボーイズラブ小説とは、なんぞや?」という問題についてはすでに色々な人が研究しているし、ネットでも簡単に調べられるので詳しい説明は割愛する。

ボーイズラブ小説はオタク女性の好む(?)男性の同性愛小説……と言う位置付け。世間的には、やや評価が低く、低レベルなものだと思われがちだが、なかなかどうして。

中には驚くほど良い作品もあったりする。当然のことだが、面白くない作品を買う馬鹿はいない……ということだ。

この作品では「男同士のほのかな交情」がメイン・テーマになっていて辛うじてボーイズラブではないせいか、本番は無く愛の言葉もないのだが、そのノリ。そのテーマ。その表現。

はっきり言ってボーイズラブ小説としか言いようがない。

ゲイ文学と呼んであげたい気持ちは山々なのだが「そんな男はいないでしょう?」という都合の良い人物設定。何よりも登場人物達から、体臭……男の臭いが感じられないあたりにゲイ文学とは違うよなぁ……と思わずにはいられなかった。

ライトノベルに分類される「ボーイズラブ」と、この作品は同じゾーンのものだと言っても過言ではない。

正直なところ、この作品が面白いと感じた、一般の読書好きならばまず間違いなく、ボーイズラブ小説だって面白く読めるだろうと思う。

あまりにも都合の良すぎる世界観が物足りない……というのは欠点だが、ややこしい部分は、都合よくカットしている分だけに美味しいところが、ゆっくり味わえるのが長所だなぁ……と思う作品だった。

それにしても、今の文学界は、こういう作品も許容されるんだってことに驚いた。

結局のところ本は「面白い」か「面白くない」かが重要なのであって他のことは、たいした問題でないんだろうなぁ……と思う。

ある意味において「目から鱗」の発見のあった興味深い作品だった。

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白い木蓮の花の下で
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