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老熟家族 佐江衆一 新潮文庫

随分と前に読んで「なんか面白く無かったなぁ」と、手放してしまった本なのに、読んだことを忘れてまた買ってしまった。

数ペーシ読んだところで気が付いたのだが、ちゃんと話を覚えていなかったので、そのまま読むことに。前回読んだ時は、ちっとも面白くないと思ったはずなのに……これは案外イケるではないか!

本を手放してから、わずか1~2年しか時間が経っていないのに、こうも感想が変わるものかと我ながら吃驚した。以前と、今とでは、いったい何が変わっているのか?

読書はつくづく奥深い。

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老熟家族

老父母と同居することになった森本代志男には妻の他に大学受験を控えた長男と高校生の長女がいる。

穏やかな核家族に突如、闖入した老父母。寝たきりの老母タツは痴呆症が進み、妻に負担はのしかかる。

子供たちも祖父母には冷たい目しか向けない。無力な自分に苦悩する代志男―。そしてタツが扼殺される。

家族を崩壊にまで至らせる老人介護の深刻な状況を克明に捉えた衝撃の問題作。

アマゾンより引用

感想

面白い……と言っても、決して楽しい話ではない。

何しろ自宅での介護がテーマだったり老人の死がテーマだったりするのだから。介護という現実が家族にのしかかった時から、狂い出した歯車が実に見事に描かれていたように思う。

家族は何人かの人間で構成される共同体のようなものだけれど、よくよく突き詰めていけば「対個人」の複合体なんだなぁ……なんてことを思った。

嫁姑。父と子。母と子。その他色々の組み合わせがある中で、バランスを保ちつつ運営してるいのだと。

正直なところ『黄落』ほど良く出来た作品だとは言い難いが、人間の掘り下げ方という面においては『黄落』に勝るとも劣らないと思う。

それにしても、人が死ぬって大変なことだ。医学が進んだ分だけ、その周囲も進歩すれば良いのだろうが、色々なことが医学に追いついていない今は、治療や延命が足枷になったりもするのだから。

そういう類の厄介事と遭遇しないで済むのなら、それが最高なのだとは思うか、そうも言っていられないのが辛いところだ。

自分の身に置き換えてみて恐怖を感じた1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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