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バッテリー あさのあつこ 角川文庫

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評判の児童書、待望の文庫化。私もずっと読みたいと思っていた作品だったので、ウキウキと購入。

多くの人を魅了しただけあって、流石に面白かった。グイグイと読ませてくれたので読了まで、アッと言う間だった。文句なしの面白さといってもいいと思う。

が、しかし私の心にはいま一歩、食い込んでこなかったのだ。

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バッテリー

中学入学直前の春休み、父の転勤で岡山県の山間の町に引っ越してきた原田巧。

ピッチャーとしての自分の才能を信じ切っている巧の前に、同級生の永倉豪が現れる。巧とバッテリーを組むことを強く望む豪だったが…!?

アマゾンより引用

感想

スポーツネタは大好きだし、成長小説も大好きだ。

そして作品自体も気持ちの良い仕上がりになっていて、文句のつけどころがないのに、どうして「ガツン」とこなかったのだろうかと不思議に思い、何度か読み返してみた。

で、自分の中で納得のいく部分に気がついた。

これっぽっちも「迷い」というものを感じない主人公に共感できなかったのだ。

主人公は天才的ピッチャーで「野球をするために生まれてきた」ような少年であり、彼は自分が野球をすることが当り前だと思っている。

幼いがらも自分の中に「野球道」を見つけているのだ。天

才に生まれついた人間ってのは、そんなものなのだろうと思う反面、その迷いの無さは読んでいて面白味を感じなかったのだ。

ある意味において、漫画ちっくな主人公なのだと思う。

少年漫画にありがちなタイプなのだ。少女漫画で言うなら『ガラスの仮面』の北島マヤというところ。

時には「迷ってみたり」もするのだけれど、それは本気で迷っているのではなくて、上っ面だけの単なる気の迷い。

天才達は最初から自分の行く道を知っているし、またその道を走っていけるだけの力もある。この手法、漫画で読むには面白いが、内面を深く描きがちな「小説」という媒体ではいまいちパッとしないように思う。

主人公が大人で、恋愛だの社会生活云々という部分が入ってくると、まったく違った味わいで、かえって面白いのだが。

主人公はイマイチだったが、脇の人々の個性はなかなか際立っていた。

主人公の弟の青波の感受性には目を見張るものがあったし、個人的な好みとしては主人公の相方になる豪君が良かった。

あんなに良く出来た少年は日本中探したって見当たらないだろうなぁ。創作だからこそ成り立つ人物なのだけれど、年甲斐もなく惚れ込んでしまった。

気配りマンって大好きだ。しかし、気配り過ぎて疲れやしないか、豪君? あれが天然だとすると、それはもうそれだけで素晴らしい才能だと思う。

この作品は次々と続編が発表されていて6冊目まで出ているようなので、機会があればぜひ読んでみたい。

迷いのない俺様が、思春期に差し掛かったとき、どう変化していくのか楽しみである。

ハマりはしなかったが読み応えのある面白い1冊だと思った。

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