「待ってたよ、次郎! 私はこういうのを読みたかったのだ!」思わず叫んでしまった1冊だった。
やはり浅田次郎は、このテのエンターテイメントに限る。天下一品と言っても過言ではいなだろう。ブラボー次郎! やはり私は次郎が好きだ。
天切り松 闇がたり 第一巻 闇の花道
ざっくりとした内容
- 物語の舞台は大正時代。
- 主人公は帝都に名を馳せた義賊「目細の安吉」一家。
- 「目細の安吉」一家は天下のお宝だけを狙い、貧しい人々には救いの手をさしのべる。
- テーマは義理と人情。
感想
ハッキリ言って、突っ込みどころが無い訳じゃない。
軽く破綻していたり、ちょっぴり変なところも多い。が、次郎のこのテのシリーズを楽しもうとするならば、突っ込んではいけないお約束なのだ。
そこそこに馬鹿になって読むのが良いと思われる。ラストの分かりきった時代劇を楽しむがごとく、読むのが良い。久しぶりに「で。続きはどうなるの?」と血沸き肉踊る読書をさせてもらった。
大正浪漫華やかなりし頃の東京舞台。そして義賊が主人公となれば、そりゃあもう…トキメキを感じないでいるのは無理というもの。
しかも主人公は少年。山本有三『路傍の石』の不良バージョンと言ったノリ。粋でイナセな大人達が格好よくて、貪り読んでしまった。
男の格好よさもさることながら、私自身が女性ということもあり、振袖おこんの話と、白縫花魁の話がツボだった。「こんな女は、いないってば」と突っ込みを入れつつ、それでもハマってしまったと言うか。一途な女は可愛いよなぁ。うむ。
ブックオフの100円コーナーでゲットしたのだが、続きが読みたくてたまらずに、文庫で出ている新刊を一気に購入してしまった。恐るべし次郎。そんなこんなで、感想は二巻、三巻へと続くのである。
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