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鸚鵡楼の惨劇 真梨幸子 小学館

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相変わらずのぶっ飛び設定だった。今回のテーマは「変態・アブノーマル」だと思う。作者の作品は変態臭がして、ファンにとってはそこが魅力なのだけど、今回の作品はそれを全面に出してきた。

1962年、新宿の花街にあった『鸚鵡楼』という洋館で起こった殺人事件を発端にして、現代まで話が繋がっていて、物語の冒頭はけっこうドキドキさせてもらった。

真梨幸子の作風って嫌いな人には到底受け付けられないと思うのだけど、横溝正史を下品にした感じが私はけっこう好きだったりする。

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鸚鵡楼の惨劇

ザックリとこんな内容
  • 1962年、西新宿。花街に建つ洋館「鸚鵡楼」で惨殺事件が発生する。しかし、その記録は闇の中に葬られた。
  • 時は流れて、バブル全盛の1991年。鸚鵡楼の跡地に建った超高級マンションが物語の舞台。
  • 嵐の夜、セレブママたちが集うチャリティ・バザーの最中に、第二の惨劇が幕を開ける。

感想

長編小説と言うことで、力を入れて書かれているとは思うのだけど、今回の作品は正直言ってイマイチだった。

私には物語の「オチ」の部分が好きになれなかったのだ。

こういうアブノーマル路線で行くなら、その方向でぶっ千切って欲しいと思うのだけど、無難なところに着地していて肩透かしを喰らった感が半端ない。

物凄く怖いと思って入ったお化け屋敷なのに、ちっとも怖く無かったような、そんな感じ。

女性特有のドロドロしたものを描くのが上手いと言えば桐野夏生を思い出すのだけど、真梨幸子は桐野夏生ほど、女性のドロドロ描写を楽しんでいないように思う。

上手いと思うだけに勿体無い。どうして中途半端にブレーキをかけちゃうのだろう。実に残念。

この作品はドラマで言うなら「1話だけは面白かった」って感じ。

最初は面白かったけれど途中から一気に失速していった印象。次の作品に期待したい。

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