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桃 姫野カオルコ 角川文庫

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正直、がっかりしてしまった。

作者の書くものは、けっこう好きなのだけど、ぐるぐると似たような設定の小説ばかりを読まされるのは、もうウンザリなのだ。

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ザックリとこんな内容
  • ツ、イ、ラ、ク』に登場した人物を描くスピンオフ。
  • 表題作「桃」を含む6編からなる短編集。
  • 『ツ、イ、ラ、ク』が前提の作品なので単体で読むには厳しい感あり。

感想

評判の良かった『ツ、イ、ラ、ク』と対になる作品とのことだったが「だからどうした?」と思ってしまった。

滋賀県の閉鎖的な田舎が舞台で、主人公の少女は禁欲的な両親に育てられていて、やたらと性に興味があって……という毎度おなじみの設定が出てきた時には「ああ…また、これか」と溜息が出た。

何冊読んでも進歩がない作家さんを追って行くというのは、苦痛な作業だってことを実感させられた次第。

よほど作者の世界観にハマっていれば別だとは思うけれど、そうでなければ耐え難い作業だ。

何冊か「すごく好き」と思える作品に出会ってしまったばかりに、ついつい「次の作品こそは違った切り口を持ってくるかも知れない」と期待して手に取ってしまうのだけど、そろそろ限界かなぁ……と思えてきた。

姫野カオルコの描く世界は嫌いじゃないんだけどなぁ。

好きゆえにガッカリ感も倍増とでも言ったら良いのだろうか。

こうなってくると、本の感想と言うよりも、むしろ愚痴でしかない。

今後も追い続けるか、それとも潔く見切りを付けるか…そこが問題。少なくとも次の作品を読むのは、ずっどすっと先になるだろうなぁ……と思った1冊だった。

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